キミがやさしい人だから 4

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駅の改札を出てすぐのコンビニに寄って、「もし要らないって言われたら持ち帰れば良いや」と思い多めに色々と買った後再び地図アプリを開いた。目的地のマークはすぐそこで、迷うことなく地図アプリの写真に写っているマンションに辿り着いた

こんなに駅近なのに綺麗で部屋もうちより広そうだった。所謂学生向け物件にも見えない。私は大学まではがんばれば実家からも通える距離だけど我儘を言って一人暮らしをさせてもらっている。それゆえ家賃が比較的安く手狭な我が家とは随分と雰囲気が違った。

今更になって緊張をしてきて足を止める。だけどここまで来て後戻りをする訳にもいかなかった。

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深呼吸をして、メッセージアプリで「部屋の前ついたよ」と送ってからインターフォンを押す。

しばらくしてからがちゃりとドアが開いた。アルビコッカにいる時よりも、大学にいる時
もさらにラフな寄れたTシャツにハープパンツ姿の慎太郎君が姿を現す。

「ごめん、ありがとう、Aちゃん」
「……っ、あ、うん」

よく肌が日に焼けてて分かりづらいけれど、顔がいつもより赤い気がする。そして熱の所為なのかいつもよりもとろんと熱を帯びた瞳と掠れた声に一気に鼓動が速くなった。

「これ！」

つい顔を逸らす。こんな慎太郎君の近くにいたらどうにかなってしまいそうで、頼まれたおにぎり等が入っているコンビニのビニール袋を差し出した。

「ありがと……っ」
「だ、大丈夫！？」

ふらついた慎太郎君の身体を咄嗟に支える。慎太郎君も直ぐに自身でバランスを取り直したから倒れ込むようなことはなかったけれど、それでも私が押すようにしている慎太郎の身体はずっしりと重かった。

「……っ」

不可抗力とはいえ慎太郎君と身体が密着してしまう。触れ合っている場所から感じる慎太郎君の熱さと耳元で感じる慎太郎君の呼吸に息を呑む。時が止まったみたいに沈黙が訪れた。

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