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「飲み物はすぐにお持ちしてよろしいですか？」
「大丈夫です。先でお願いします」
ひと通り注文を伝えた後、慎太郎君に店員モードの口調で尋ねられて私もつられてお客様モードで返事を返した。よそよそしい会話の違和感が凄くて、先に慎太郎君が吹き出したから私もつられてしまう。
「かしこまりました、少々お待ちください」
笑い交じりの声でそう締めた慎太郎君の背中を私はぼんやりと見送った。
/
「美味しい！」
テーブルの上に並べられた料理を口にして、みんなそう言ってくれたのが嬉しかった。最初に注文した分が片付いてきて、お腹の空き具合的には食事を追加注文をするかデザートに移行するか微妙なラインで、みんなにも聞いたみようと思った時だった。
ドリンクのお代わりと共に樹先輩がやってきた。
「こちら、牛肉のタリアータになります」
注文したドリンクの後に当たり前みたいに私達のデーブルに置かれたそれを見て私が戸惑う。
「え？樹先輩コレ頼んでないですよ？」
樹先輩がオーダーミスをした姿を見た事が無かったので尚更だ。
「そっちの子誕生日なんでしょ？俺からのサービス」
そう言って樹先輩がナツに笑い掛ける。
「いいんですか！？」
実は四人の中で一番食べる(なのに不思議と全然太らない)ナツはやはりまだ物足りなかったのか目を輝かせた。
「いつもAがお世話になってるみたいだから」
「わあ、ありがとうございます！」
「なんか今の言い方彼氏さんみたいですね」
ナツと樹先輩の会話を間で聞いていたコハルがおっとりとした口調で言った。
見た目のイメージ通りのんびりとした性格のコハルだけど、時々発言の切れ味が鋭くなる。そこがコハルの面白い所なのは間違いない。間違いないのだけど、時々困る所でもある。
「そう見える？」
コハルの言葉を受けて樹先輩が意味ありげにニヤっと笑った。
「ちょっと！ちゃんと否定して下さい」
流石に黙ってはいられなくて口を挟む。
「俺らお似合いだって」
そんな私を揶揄うように樹先輩が笑った。悪気はなく軽口でそういうことを言えてしまう人なのだ、樹先輩は。だけど誤解をされるのは困るから。
「あんま冗談でそういうこと言わないでください」
弱弱しくなった私の言葉にやりすぎたと気付いたのか、樹先輩はそれ以上ふざけることはぜず「悪かったって。じゃあごゆっくりどうぞ」と空気が重くならない口調でそう言って去っていった。
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夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……！コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー！ (2月12日 20時) (
レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…！慎太郎くんかっこよくて最高です！笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます！！^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね！！ (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー！樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです！ (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ！主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎！って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕色 | 作成日時：2023年10月17日 12時
