番外編-12 ページ27
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月曜日、北斗は朝から上機嫌だった。いや、別にスキップをしているだとか鼻歌を歌っているだとかそういう分かりやすいアクションがあった訳ではない。ただ、いつもデフォルトだと固い北斗の表情がとにかく常時柔らかい。今なら俺とジェシー以外のクラスメートからも「話しかけやすそう」と思われるんじゃないだろうか。
「北斗今日機嫌いいね」
そんなんだからすぐにジェシーも気づいたようだった。
「は？え？そう？」
けれど当の本人は無自覚だったみたいで驚いた顔をする。
「逆に聞くけど機嫌悪いの？」
「そりゃ、悪かないけど」
そんな事はないと解ってて俺が尋ねれば北斗がちょっと気取った調子で答えた。
「週末なんかいい事でもあった？」
確信に触れるような質問をしたのはジェシーで、それに北斗が目を丸くする。
「……まあそれなりに」
「えー、なんだよ教えろよ！」
照れたように答える北斗の肩をジェシーががっちりと掴んだ所で講義室に准教授が現れて時間切れとなった。
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昼休み。食堂でのジェシーのしつこい(と言っても北斗が本気で嫌がればジェシーはそんな事はしない)追求に北斗が折れて土曜日にAちゃんと映画を見に行ったことを話をした。二人とも好きな映画で感想戦も大変盛り上がって随分楽しかったらしい。北斗は犬だったら絶対に尻尾を降っていそうなご機嫌な様子だった。
「やっぱ北斗Aちゃん狙いだったんだ」
北斗が話し終えるまで見守った末のジェシーの感想はそれだった。無理もない。俺だってそう思った。ジェシーは知らないであろう二人の昔の話を聞いたから、余計に。
「狙ってねえよ！友達だって！さっきも言ったでしょうが」
北斗は冗談っぽい調子で勢いよく返す。その感じは本当に"好きな子"というよりは"気の知れた女友達"の話をする感じに見えた。別に男女の友情を否定すつもりは俺にはないし、多分ジェシーにもない。なのになんだか気になってつい尋ねてしまった。
「じゃあ北斗はAちゃんの本当に友達としか思ってないの？」
付け足しそうになった"今は"という余計な言葉だけすんでの所で飲み込んだ。思いの外本気っぽい声のトーンになってしまった俺に北斗は驚いた顔を向けた後に苦笑する。
「慎太郎までどうしちゃったの」
「北斗が仲良い女の子ってやっぱ珍しいじゃない。そりゃ気になりますよ」
俺は内心慌てつつ冗談混じりの口調に切り替えた。
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夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……！コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー！ (2月12日 20時) (
レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…！慎太郎くんかっこよくて最高です！笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます！！^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね！！ (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー！樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです！ (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ！主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎！って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕色 | 作成日時：2023年10月17日 12時
