番外編-7 ページ22
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自分でも調子が良いとは思うけれど、あの日Aちゃんに話を聞いてもらったことで俺の心は幾らか軽くなった。何も知らないジェシーとチアキの双方からお互いへの惚気を聞かされるのは正直キツかったけど、自分のチアキへの気持ちを認めた上で、二人が幸せならいいかと段々と建前だけじゃなくて本音で思えるようになった。それに、月曜日のAちゃんとの時間が俺の中で癒しになっていた。正直甘えていたのだと思うし、率直な言い方をすると失恋の痛みを誤魔化すのにAちゃんを利用していたのかも知れない。
優しいAちゃんが俺からの誘いを断ることは殆どなかった。最初はぎこちなかったけど、会う回数と比例してAちゃんが心を開いてくれる感じがしたのが嬉しかった。
たまにチアキとジェシーの事でしんどい事があっても、Aちゃんに話を聞いてもらうと自分の中で上手く消化できたような気がした。……もっと最低なことを言いえば、心配そうな顔で俺の話を聞いてくれるAちゃんを見ていると、自分が誰かに想われているって実感できてほっとした。
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そんな感じで少しずつチアキとジェシーを見ても平気になりつつあったある日のこと。
「北斗ー、今週の土曜日空いてる?どっか行って遊ばん?」
バイトもサークルもない週末、ジェシーはチアキとデートらしいので北斗に声をかけた。
「あー、悪い。今週は無理」
俺の誘いにはなんだかんだいつも付き合ってくれる北斗に珍しく断られた。
「なんだよ。北斗もデート?」
確かバイトは入っていないという話をちょっと前に聞いた気がする。別に俺だって誘いを断られたくらいで機嫌を損ねるほどはガキじゃないからほんの冗談のつもりだった。北斗に(なるべく誰かと一緒に過ごしていたい俺やジェシーと違って)一人で過ごしたい時があるのは分かっていたからそれならそれで構わなかった。
「あーーー、いや」
ただ予想外だったのは俺の弄りに対する北斗の反応で。迷ったようの目を泳がせていた。ちょっと前に似たようなふりをした時は「んな訳ねーだろ!」と元気よく返されたに、これは一体どういう変化だ?
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夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……!コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー! (2月12日 20時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!慎太郎くんかっこよくて最高です!笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます!!^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね!! (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー!樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです! (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ!主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎!って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕色 | 作成日時:2023年10月17日 12時