番外編-2 ページ17
対して名前を呼ばれたジェシーの方も
「えっ、なんで俺の名前知ってんの?慎太郎の友達?」
「あ、慎太郎とはサークルが一緒で、時々ジェシー君達の話聞いてて」
「慎太郎と同じサークル?あ、じゃあ"チアキ"だ!」
なんて風にチアキの名前に辿りついて、俺がお互いの紹介をするまでもなく二人はその場で意気投合した。俺と仲が良い奴同士が仲良くなるのは普段であれば嬉しいはずなのに、この時ばかりは嫌な予感に俺は襲われる。デジャブというのだろうか。昔の出来事が頭をちらついた。そしてその嫌な予感はまんまと的中してしまう。
いつもはみんなで騒ぐのが好きなチアキから二人で飲みたいなんて誘いがあって、だけどそれに舞い上がることが無かったのはこの悪い予感があったからだ、おかげでショックを最小限に抑えられたように思う。
「あのさ、慎太郎に頼みがあるんだけど」
いつになくしおらしくそう切り出したチアキにジェシーへの想いを告げられた。事前に嫌な予感がしていたといっても、いざ実際にチアキの、程よく潤んだ色あざかやな唇からジェシーの名前がでてきた時、俺は意識が遠のくような感覚に陥った。
——あー、またかぁ。
心の片隅でそんな風に思った。好きだと思った相手に自分の友達が好きだと告げられるのはこれが二回目だった。
そしてジェシーとチアキは余程気が合うみたいで、その直ぐ後にジェシーからも「チアキともっと仲良くなりたいんだけど」なんてストレートに頼まれた。
振られると解っていてチアキに告白する勇気はなく、けれど今の煮え切らない状態では諦めを付けるには足りなくて、だから俺はむしろ積極的にあの日のセッティングをしたのだ。人間というのは矛盾だらけの生き物で、自分で進んでチアキとジェシーを近付けるべく動いた癖に目の前で二人が視線を交わせる度、俺の心はずっとギスギスと痛んだ。
番外編-3→←番外編-1:: who stayed beside me
744人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……!コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー! (2月12日 20時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!慎太郎くんかっこよくて最高です!笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます!!^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね!! (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー!樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです! (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ!主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎!って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夕色 | 作成日時:2023年10月17日 12時