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20-2 ページ15

「いや、びっくりさせたのはきょもの方じゃん!」
「そんなつもりはなかったけどなー。慎太郎が樹とAちゃんの方ばっか見てたから気付かなかったんない?」

一応気を使ってくれているのか、樹とAちゃんには聞こえないように小声になってきょもが言う。

「っ、別に、そういう訳じゃ……!」

図星を突かれた俺は解り易く動揺して、そんな俺を見てきょもがまた笑った。

「わかりやすよなー、樹も慎太郎も」
「わかりやすいって、何が」

きょもの言っている事の意味が解らなかったし、あまり笑われるのは不本意で俺はついむっとなって返した。そんな俺を見てきょもがきょとんとした顔をする。

「俺の言ってる意味、わかんないんだ?」
「わかんないから訊いてるんじゃん」
「なるほど、そういうパターンもあるか」

何やらきょもは一人うんうんと納得しているけれど、俺からしてみれば珍紛漢紛だ。

「ちょっと、どういう意味!?」
「きっとその内分かるよ。慎太郎、最近ずっと顔険しいからそれがなんでなのか考えてみれば?」
「…………!」

自分でも自分の機嫌がここ最近あまり良くない自覚はあった。イライラしてるしモヤモヤしてるのだ。それがやはり表にも出てたらしい。

「ごめん」

謝る俺にきょもは今後は優しく笑った。

「素直なのは慎太郎の良い所だよ。まあ接客中は最低限笑顔でできてるんだし、いいんじゃない?見てて面白いし」
「俺は面白くないよ」

イライラしてるのもモヤモヤしているのも当たり前に嫌で、本当はどうにかしたかった。

「じゃあ、頑張ってなんでか考えな」
「なんで俺がわかんないのにきょもが解ってる風なのよ」
「いや俺もわかんないよ?全部勘違いかもしれないし。だから俺からは何も言いませーん」

これまで散々思わせぶりな事を言ってきたくせにきょもはそう締めておどけて見せた。きょもが、やると決めたことはやるし、やらないと決めたことはやらない奴なのは長い付き合いで知っているのでそれ以上問いただす気にもならない。

「いやー青春してて羨ましいわ」

なんて言い残してご機嫌で他所に行くきょもの背中を恨めしく見送ることしかできなかった。

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夕色(プロフ) - あずみさん» 長いのに一気読みありがとうございます……!コメント嬉しいです。今後も慎太郎の格好良い所書けるように頑張りますねー! (2月12日 20時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
あずみ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…!慎太郎くんかっこよくて最高です!笑 めっちゃきゅんきゅんドキドキしてます!!^^ これからも更新楽しみに応援させていただきますね!! (2月11日 23時) (レス) @page39 id: fffeedeac5 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございますー!樹先輩については書きたいような、ずっと本当の所は解らないままでいて欲しいような……って感じです! (11月30日 22時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 慎太郎サイドだ!主人公ちゃんを応援したいが、樹先輩も気になる。 (11月29日 6時) (レス) @page19 id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» なんかなかなか煮え切らない展開が続きますがきょも共々生温かい目で見守っていただけると嬉しいです。頑張れ慎太郎!って思いながら書いてます😌。 (11月23日 23時) (レス) id: f0afa3630e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕色 | 作成日時:2023年10月17日 12時

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