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ある日まっすーは、
弱々しい声で俺の名前を呼んだ。
「て......ごし......」
「なに?どうしたの?」
「ほ.......し......」
「星...?星が見たいの?」
そういうとまっすーは
小さくうなずいた。
今日の天気予報は......
晴れ。
「分かった。
先生に許可もらえたら、今日見に行こっか」
「あり......がとう......」
「うん、大丈夫だよ。
無理にしゃべらなくて大丈夫だから」
そういうと、まっすーはそっと瞼を閉じた。
まっすーが眠っている間に
俺は先生に何とか
屋上に行かせてもらえるよう取り合った。
そしたら、車いすで短時間だけなら。
暖かい恰好で行ってください、って。
「まっすー、先生から許可もらえたよ。
楽しみだね」
その夜、
俺は初めてまっすーを車いすに乗せてあげた。
全く力が入っていないのに
びっくりするぐらい軽くて
抱き寄せた体は
折れてしまいそうだった。
「まっすー......」
その体に触れて
まっすーが生きている
温もりと、
消えてしまいそうな
切なさを実感した。
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未来(プロフ) - なんか主様結構自分の作品に酷評してるようですが、私としてはめちゃめちゃ最高の作品でした.....謙遜しすぎですよってくらいに(笑)ありがとうございました!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 桜 苺さん» そこまで言ってもらえるのはすごく自信になります...... 辛いお話、読んでくださってありがとうございました(;o;) (2019年10月27日 12時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
桜 苺(プロフ) - この小説読んで泣いてしまいました。私重い話とか苦手で読まないんですけど 読んでいたら止まらなくて最後まで読んでしまいました。すごく切なくて温かくて余韻がすごいです。やはり感情移入して悲しくなってしまい読まなきゃよかったと後悔(いい意味で)しました。笑 (2019年10月27日 9時) (レス) id: 29128be202 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - pekoさん» はじめまして。読んでいただきありがとうございます(;o;) 伝わってとても嬉しいです...... (2019年10月26日 0時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - めっちゃ泣きました( ;∀;)お互いをとても大事に思う二人の描写が素敵でした。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: 67ffa6edda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーぽん | 作成日時:2019年10月13日 12時