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看護師さんに教えられたのは、
聞いたことのない病院だった。
「ありがとうございます、!」
看護師さんにお礼を告げて、
早速その病院を検索する。
「えっ、遠くない...?」
そこは同じ東京でもすごく山の方。
ここから車で4,50分はかかるような場所にあった。
「なんで、こんなところに...」
そう思ったけど、
そんなことより見つかればそれでいい。
俺はとにかく車を走らせた。
「ここか...」
着いたのは、さっきに比べると
随分小さな病院だった。
東京とは思えないぐらいビルもなくて、
どちらかというと田舎、
田んぼとか緑もあるような場所に建っていた。
「よしっ、」
俺は覚悟を決めて病院に入る。
「すみません... 増田貴久って患者、いますか?」
すると、
「増田貴久さんは... 305号室ですね」
って、教えてくれた
というか、ここに、いる...
半年間、探して探して探し続けて、
それでも見つけられなかった人が、
やっと見つかるかもしれない。
会えるかもしれない。
でも、なんて話しかければいい?
気付かなかった俺たちから、
それを隠すように一人で逃げてきたはずなのに
今さら、何て言えば...
それでももう逃げちゃいけない、
受け止める覚悟だ、
そう心に決めて、
俺は病室の扉に手をかけた。
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未来(プロフ) - なんか主様結構自分の作品に酷評してるようですが、私としてはめちゃめちゃ最高の作品でした.....謙遜しすぎですよってくらいに(笑)ありがとうございました!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 桜 苺さん» そこまで言ってもらえるのはすごく自信になります...... 辛いお話、読んでくださってありがとうございました(;o;) (2019年10月27日 12時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
桜 苺(プロフ) - この小説読んで泣いてしまいました。私重い話とか苦手で読まないんですけど 読んでいたら止まらなくて最後まで読んでしまいました。すごく切なくて温かくて余韻がすごいです。やはり感情移入して悲しくなってしまい読まなきゃよかったと後悔(いい意味で)しました。笑 (2019年10月27日 9時) (レス) id: 29128be202 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - pekoさん» はじめまして。読んでいただきありがとうございます(;o;) 伝わってとても嬉しいです...... (2019年10月26日 0時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - めっちゃ泣きました( ;∀;)お互いをとても大事に思う二人の描写が素敵でした。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: 67ffa6edda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーぽん | 作成日時:2019年10月13日 12時