検索窓
今日:17 hit、昨日:3 hit、合計:44,573 hit

天然 140 ページ48

埠頭には、乾いた発砲音が三つ響いた。


初めて見る光景に目を見張る者、あの無敵のマイキーの最期に目を疑う者、私を睨む者。








『ゆっくり、休むんだよ。今までよく頑張ったね。』

まだまだ幼くて小さな体で、この子は多くの物を背負いすぎた。



三途「なに、やってんだよ……!」



『私は、万次郎の最期の願いを叶えただけよ。』

三途「マイキーはタイムリーパーじゃねえんだよ!!!!
死んだとしてもタイムリープする訳じゃないっ、ただ死んで、それで終わりなんだ!!!」

『ええ、それぐらい分かってる。
私もさっきの武道と万次郎の会話聞こえてたもの』

三途「だったら尚更どうしてっ!!?!?!!?」




『万次郎が、本当にそれを望んでいたから。

これ以上はもう、可哀想だから。』



『万次郎は優しい子だから、辛いことも悲しいこともしんどいことも、全部ひとりで抱え込んでしまう。
もうこれ以上頑張らせる理由なんて、どこにもないの。

………十分頑張ったんだから。』



まだ何か言いたそうな眼をしていた。

それは春千夜くんだけでなく、林田くんや三ツ谷くん、それに若狭までもだ。













『それが気に食わないなら、私も殺せばいいんじゃない?』



地雷を駆け抜けてしまったのか、三途くんは武道から抜いた日本刀を持ってこちらへ走ってくる


悔しそうな表情で、見ているのも痛かった。






『日本刀ってね、結構刃こぼれしやすいんだよ。』


彼の攻撃を交わしながら話をした、さっきまでに負った傷が嘘のように体が動く。




『特に、人を切ったあととか。』





キン

私は小型のナイフを使って応戦しているけれど、体が上手く動いてくれるおかげで傷は増えない。




三途「あぁ、よく知ってますね…!」


『なんなら春千夜くんより詳しいと思うよ、こんな風に今日大活躍の刀なら、………ねっ!!!!』


三途「な、!?!!?」






『私から言っといてなんだけどさ……
やめようよ、戦うの。』


刀も折れちゃった事だし、というと糸がプツリと切れたようにわんわん泣き出してしまった。



救急車のサイレンが聞こえてきて、特に締めるようなことも無く最悪な空気で各々が散っていった。





「姉ちゃん。」


『らん、……大丈夫だった?』

「姉ちゃんこそ、またボロボロじゃねえか。」





『ねえ、これで良かったのかな……』

「さあ、どうだろうね。」









「俺らが知る由もない、後は上手く生きようぜ。」

続編のお知らせ→←天然 139



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (134 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
843人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ただのオタク☆(プロフ) - あぁぁぁぁぁ!!!!!!待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございますぅぅ!!!!マジおもろい!神! ハッ!(・Д・) すいません取り乱しました…次も楽しみにしてます! (2022年12月21日 8時) (レス) @page43 id: f4bc07de09 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 続き待ってます、 (2022年10月10日 1時) (レス) @page42 id: db16ca0257 (このIDを非表示/違反報告)
421(プロフ) - かしこまりました!(*^^*) (2022年9月8日 16時) (レス) @page42 id: 3223c8ebaf (このIDを非表示/違反報告)
フナ - 神は存在したんですね。続まってます!! (2022年9月6日 5時) (レス) @page41 id: 61050e8604 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 早く記憶戻って欲しいまじで (2022年8月2日 0時) (レス) @page41 id: ac6daa7edc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:HAL | 作成日時:2022年3月20日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。