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天然 131 ページ39

色々なことを考えてうちに眠りについており、次に目が覚めたのは日が落ち始める頃だった。



大寿「悪い、少し寝坊した」


まだ覚醒しきっていない様子でそう話しかけて来る大寿。

手には紙袋を持っていた



『それは?』

大寿「朝三ツ谷から特服が届いたんだが、その後の記憶がねぇ」

『寝落ちしたんだね、きっと。


でもおかげで私はゆっくり寝れたから感謝かな、ありがと。』

大寿「あぁ、早速着替えて向かおう」




手渡された特服はとても新鮮なもの。

手作りらしいのに手作りって感じが全くしないぐらい縫い目は綺麗で当たり前のようにほつれもない。


今までで着た服の中で1番楽しみかも。









やっぱり私はこういう暴力的なことが好きなのかしら。




『いけないいけない、余計なことは考えないようにしないと。』






大寿「準備できたか?」

『ん、これでどう?』



大寿「サラシ巻いた方がいいんじゃねえのか。」

『この年で、サラシ巻く…?

ここピッチリ閉めてたら大丈夫だって!』

大寿「もしもの時周りが大丈夫じゃねえだろ、ほら。
巻けねえなら俺が無理やりにでも巻くぞ」



一回り以上下の子に言いくるめれてこのザマよ。へっ。





『今度こそ、準備出来ました
ウチに向かってもらってもいい?』

大寿「あぁ、一体何を取りに戻るんだ?」





今日はバイクで移動しながら話す。もちろんノーヘルだ。



『思い出を、ね。』






大寿「面白ぇな、アンタは。」

『そんな事ないよ』







思い出。

今日は婚約指輪を取りに来た。




でも指にはしない。

だって、私は佐野真一郎と婚約した灰谷Aじゃないんだもん。


お互いに失礼だから。












お墓の前でも、色んな報告をした気がする。



『私は、万次郎を止めるよ。』





『たとえ、この命にかえてもあの子を救いたい。

きっと、貴方ならわかってくれると思うの。






それに、貴方との思い出がない私には、それぐらいしか出来ないから……』









『次は若狭とベンケイ、武臣も連れてくる。




それと、万次郎とも。必ず来るよ。









私はそれまでに、全部、貴方のことも、あなたと過ごした思い出も、あの気持ちも全部、思い出す。



約束、させて。』



いつも、こんなふうに返事のない話を続けていたっけ。






心に来るものが、あるな。






『私のこと、見ててくれたら嬉しい。』

胸元に光る指輪を強く握りしめ、墓を後にした。

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ただのオタク☆(プロフ) - あぁぁぁぁぁ!!!!!!待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございますぅぅ!!!!マジおもろい!神! ハッ!(・Д・) すいません取り乱しました…次も楽しみにしてます! (2022年12月21日 8時) (レス) @page43 id: f4bc07de09 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 続き待ってます、 (2022年10月10日 1時) (レス) @page42 id: db16ca0257 (このIDを非表示/違反報告)
421(プロフ) - かしこまりました!(*^^*) (2022年9月8日 16時) (レス) @page42 id: 3223c8ebaf (このIDを非表示/違反報告)
フナ - 神は存在したんですね。続まってます!! (2022年9月6日 5時) (レス) @page41 id: 61050e8604 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 早く記憶戻って欲しいまじで (2022年8月2日 0時) (レス) @page41 id: ac6daa7edc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2022年3月20日 8時

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