天然 111 ページ2
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『私は一体、何者だったんだろう?』
抽象的すぎる質問だけど、私が考えた中ではこれが精一杯の質問だった。
ドラケン「何者、って言うのは?」
『私ね、病院で目が覚めてから記憶が曖昧なの。
君たちの救いたい"マイキー"という子の事も知っているハズだった。
でも覚えてないんだ。
私が覚えている自分は、初代黒龍の灰谷A。
ドラケンくんの知っている私は、どんな人かな』
驚いた顔をして私の方を見つめた彼。
少し俯き、ポツリと話し始めた。
ドラケン「俺は、正直言うとそんなに貴方のことを知りません。
でも、貴方はマイキーの…。
いや、佐野万次郎の姉です。
姉と言っても血は繋がっていないけど。
それに貴方は俺の憧れていた人の恋人です。」
『ドラケンくんの、憧れていた人?』
ドラケン「佐野真一郎です。
覚えて、いないんですか…?」
『………うん。
お墓に行ったりね、彼の経営していたバイク屋さんがあった場所に連れていって貰ったことはあるの。
でも、懐かしい気持ちがするだけで何も思い出せなかったんだ…。
だからね、本当に少しだけ思ってしまった。
彼と私はそんなに想い合っていたのかな、って。』
こんなこと、言うつもりじゃなかった。
心の奥底にこびり付いた、1番イヤな考え。
ドラケン「俺は真一郎くんにはお世話になりました。
けど、2人のことはあまり詳しくありません。
…だから2人が昔どうだったとかあんまり良く分かんないけど、貴方は確かに佐野真一郎という人に大切にされていたと思います。」
『……そっか。』
自信をくれる為でも、励まされてる訳でもない。
真面目に、ただ真実を伝えてくれた。
それがスグに伝わるほど、ドラケンくんは真っ直ぐな目をしていた。
『いつか彼のことを全部思い出した時に、私の隣には彼が大切に思っていた人や彼のことが大好きな人たちがいてほしい。』
ドラケン「Aさんなら、大丈夫です。」
『そう、かな?』
ドラケン「それが願いなら、俺らでマイキーの目を覚まさせてやりましょう。」
『マイキー、くん。』
ズキ
いたい。
マイキーという言葉を聞くと、何故か頭痛がする。
大切なことを思い出せそうな、そんな感じの頭の痛み。
思い出したいのに、身体が拒否しているみたいな。
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ただのオタク☆(プロフ) - あぁぁぁぁぁ!!!!!!待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございますぅぅ!!!!マジおもろい!神! ハッ!(・Д・) すいません取り乱しました…次も楽しみにしてます! (2022年12月21日 8時) (レス) @page43 id: f4bc07de09 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 続き待ってます、 (2022年10月10日 1時) (レス) @page42 id: db16ca0257 (このIDを非表示/違反報告)
421(プロフ) - かしこまりました!(*^^*) (2022年9月8日 16時) (レス) @page42 id: 3223c8ebaf (このIDを非表示/違反報告)
フナ - 神は存在したんですね。続まってます!! (2022年9月6日 5時) (レス) @page41 id: 61050e8604 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - 早く記憶戻って欲しいまじで (2022年8月2日 0時) (レス) @page41 id: ac6daa7edc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2022年3月20日 8時