58 ページ8
黒尾「今朝早く、夜っくんの姿が見えなかったのですが」
『え、何。』
黒尾「やっぱ昨日なんかあったんだろうが！」
『ごめんって、昨日も謝ったじゃん。もう解決したしいいよいいよ』
黒尾「ほぅ？」
『腹立つ。早くゴハン食べろ！！！』
黒尾「いた、え、ウソ…狼谷まで俺に足出すの！？！夜っくんだけで十分痛ッ！！！夜っくん！？」
夜久「デケェ」
黒尾「理不尽！！」
『夜久も、ゴハン早く食べちゃってね』
夜久「おー」
今朝のことは無かったように、普通に振る舞う夜久。
あんな恥ずかしいことばっかり言っておいてよくも……私も普通に振る舞えているだろうか。
白福「耳赤いよ」
『耳、以外は』
白福「だいじょぶ」
親指を立ててニッコリ笑ってくれた、それはもう普通ってことだろう。耳は髪の毛で隠せるし。
灰羽「Aさんごちそうさまッス！」
『食べ終わった食器は、あっち』
灰羽「はい！」
こんなんになってしまったのは良くも悪くもこの後輩のせいではあるが、相変わらず無邪気に笑っている。朝から元気ありすぎて怖い。
夜久「Aサンごちそうさまで〜す」
『あのねえ、食器はあっちって……ギャ！！！！』
夜久「驚き過ぎ」
『ごめん、ビックリした』
夜久「ふは、かわい」
『な、ッ』
夜久「前言ったじゃん、可愛いって思ったら言うよって」
『バカなこと言ってないで、早くランニング行ってきて』
夜久「バカなことかなぁ……ま、いいや！ご馳走様！」
『うん』
夜久の態度はあからさまだ、もう見て分かるぐらいにヒシヒシと伝わってくる。
「あの」
『え、あ！あかーしくん！』
「赤葦です、ご馳走様でした。自分の分ぐらい洗います」
『いいよいいよ。向こうに積み重なってるから、そっち重ねといて』
赤葦「そう、ですか。わかりました。」
『……なに？』
赤葦「夜久さんと恋仲ですか？」
『違いますが？』
赤葦「なんだ、違うんですか」
雀田「A〜！手伝って！」
『うん、今行くね！』
かおりに呼ばれてしまったので赤葦くんの食器を預かり、そのまま厨房の方へ戻る。私たちは選手たちより先に朝ごはんを食べ終えているから、ここからは働き詰め。頑張るぞ！
『おたくの赤葦くんなんなんですか』
雀田「え、なにが」
かおりと横並びになって洗い物をしながら談笑を始める。
『さっき、あの…』
白福「夜久さんと恋仲ですか？って聞いてたね」
雀田「へぇ、意外。そういうのあんまり興味無さそうなのに」
『今日の献立なんですか、みたいなノリで聞かれても困るんだよ…違うし』
赤葦の表情が変わらないのはいつものこと、と丸め込まれてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2024年3月6日 23時
