97 ページ47
「やる気になってくれたんだねAちゃん……！！」
私の発言にきょとんとしている夜久と黒尾、そしてノリノリな友人。
夜久「え、えっと……優しくて、守ってくれる…人？」
恥ずかしそうにしながら俯く夜久は、もう女の子そのもので。元々男子にしては声も高い方だし、私は夜久衛輔という人間のことをどこか可愛いと思っている節がある訳だし
『そっか、ならよかった』
夜久「何が？」
『夜久のことは守ってあげられるから、自分に出来ることでよかった』
黒尾「ヒュー、イケメン」
「こっちが惚れちゃう」
黒尾「な」
夜久「って、狼谷は！！狼谷はどんな女の子がタイプなんだよっ！」
『どんな女の子がタイプ、か。
難しいけど、好きになった人がタイプだから、一緒にいるときに自然体でいてくれる子』
夜久「ウッ…」
『でもエスコート自体はしてみたかったから、今回ばかりは感謝かな。だから夜久、他のクラスの方一緒に回ってみない？
守ってあげることぐらいはできるし、それとも黒尾と回る？』
黒尾「巻き込むな！！」
夜久「……狼谷と回る」
「(ナイスだよAちゃん！！行ってらっしゃい！！！！)」
黒尾「あーあ、狼谷のせいで変に巻き込まれて知らん内に振られちまったよ」
「夜久くん、大丈夫かなぁ………」
黒尾「まぁ、なんかあったら狼谷が何とかすんだろ」
*
『夜久、どこか行きたいところある？』
夜久「まぁ、あるにはある…けど」
『けど？』
夜久「このカッコで行きたくない」
『じゃあ場所だけ教えて』
夜久「リエーフのとこと、食品の方」
『じゃあ下の階だ、まず降りようか』
この階にいた方がバレるんじゃない？と提案してみれば納得した様子で階段を下る。もう見た目がどタイプでホントに可愛い。
『ん、そうだ。夜久』
夜久「ん？」
『これ、付けたら可愛いよ』
夜久「え、まっ…まてまてまて！」
『どうせなら可愛くなりたくないの？』
夜久「ねえよ！！！」
『いいじゃん少しぐらい』
夜久「ただでさえスカート慣れねえのに髪も長くて、女らしくって言われてもどうすりゃいいか分かんないし……」
『じゃあ私の真似したらいじゃん。
ウィッグで髪が鬱陶しいなら、尚更ヘアピンつけた方がいいんじゃないの』
ムスッとした顔をしている、そんな顔をしてもいじめたくなるだけなんだけどな。
夜久「狼谷が付けてくれるなら付ける」
『え、うん、そのつもりだったけど…夜久自分で付けられないでしょ？』
夜久「うぐ……」
『付けるから、こっち来て』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2024年3月6日 23時
