繋げ！②【ハイキュー】 (ページ41)

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夜久「そろそろ暗くなってきたな〜」

『……』

夜久「狼谷？どーした？」

私は今、考えごとをしていた。

夜久がいつものように顔を覗き込んでくるんだけど、それすらも気にならないほどに悩みに悩んでいるのだ。

『あのさ、もう少し時間ある？』

夜久「あるけど、何？」

『花火しよう！！！コンビニで花火買って、それで土手行こう！』

この提案が吉と出るか凶と出るか、どっちに転んだとて私がまず今花火をしたい。

夜久「いいなそれ！」

と、嬉しいことに夜久は乗り気だった。

『まだ暑いし飲み物と、花火はこんなもんでいっか。2人だし』

夜久「だな、俺虫除け見てくる」

『うん』

ただでさえ蚊の活動が活発なこの時期。土手に人はいなくて世界から人がいなくなったみたい。なんて、今日見た映画に影響されて、そんなことを考える。

夜久「こうしてるとさ」

『うん？』

買ってきた線香花火、どちらが先に落ちてしまうのか勝負だ！って言いながら横並びになって夜久の話を聞いていた。

夜久「今日見た映画みてえに、俺と狼谷しかいないみたい」

『…実は、私もそれさっき思った』

夜久「マジで！？なんかすげえ！」

『そうだね』

喜怒哀楽が豊かで、優しくて、頼りになって。
時には子どもっぽい一面も見せるけど、全然大人びている彼は、私よりもずっとずっと大きく見える。

火を見つめてぼーっとしている隣で、シャッター音が鳴った。

びっくりしたけれど、俺誕生日なんだからいいだろ？って、さっきはあんなに頭抱えてたくせに今度はいたずらっ子の様に笑う。

『うん、誕生日おめでとう』

夜久「ありがとな！」
それから一通り手持ち花火に火をつけてそろそろ終わりが見え始めるんじゃないという頃、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「おや？おやおや？おやおやおや〜〜〜？？」

『ん？』

夜久「ゲ、マジで来たのかよ……」

「喜べ！花火追加で買ってきてやったぞ〜」

「あ！待ってください黒尾さん！俺持ちますよ！！」

「リエーフは落とすからダメ」

『え、もしかしてだけど結構人数いる感じ？』

次から次へと聞こえてきた声に驚く、夜久も驚いてる。

灰羽「おふたりだけズルいっすよ！花火すんなら俺も呼んでください！！！」

黒尾「そうだぞ〜。夜っくんがひとり占めしたいのは分かるけど、俺らも混ぜてね」

夜久「へーへー」

どうやら夜久から黒尾、黒尾から部員たちに声を掛けてみんなで花火をしようと言うことになっていたらしい。