繋げ！②【ハイキュー】 (ページ40)

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『ねぇ、やっぱり私も何かあげたい』

夜久「何で、俺はもう貰ってるって言ってんのに」

『夜久ばっかり私に時間使ってくれて、ダメ』

だって、私もなにかこうして思い出に残るようなものをプレゼントしたい。

夜久「じゃーさ、今それ付けてみて」

『わ、わかった』

今の髪型には合わなそうだから、とりあえずイヤリングの方を付けた。主張しすぎない小ぶりな花びらが綺麗で、スグに気に入った。

夜久「で、ちょっとまって……写真…うぉ、俺の顔が」

夜久は携帯とにらめっこを始めた、そういえばあんまり使いこなせないって言ってたっけ？

『インカメになってるんじゃない？』

夜久「え、どうやって直せば…？」

『いいじゃん、そのまま撮ろう。夜久も一緒に』

俺も！？だなんて驚いてる夜久から半ば無理やり携帯を取り上げて夜久のスグ隣まで移動する。

最近は縦に撮るのが流行ってるらしいよ、あんまり聞いたこともない噂だけど近くに寄りたいから嘘をついた。

夜久「ち、……？！」

『ほら撮るよ、変顔でもする？』

夜久「しねえ！」

『ふ』

夜久「わ、笑うなよ！」

カシャ、とシャッター音がして無事に写真を撮れたことを確認する。何枚か撮るためにそのままボタンを連打してみた。

『はい、確認してみて』

夜久「おう」

『あ、そうだ。インカメになったときはここの矢印ボタン押すんだよ』

夜久「おお？」

ほら、外向きになったでしょ。

夜久「じゃあ今度は俺が撮る番！」

『え』

夜久「いいから！こっち向いて、可愛い顔して？」

『む、り……』

夜久「ん、いいね可愛いよ〜」

『ば、ばかじゃないの』

夜久「いい写真撮れたし！あー、なんか喉乾いたな〜」

『奢る！』

ちょうどいい、と思った。近くにあったコーヒーチェーンのお店に並んで、飲み物を頼んだ。

『カスタムしてもいいよ？』

夜久「うーん、難しいな…狼谷は何飲むの？」

『んーっとね…キャラメルマキアート！』

夜久「ふぅん」

『夜久はどれにする？』

夜久「そしたら俺は、ほうじ茶ラテかな」

いちごとかチョコとか、そんな甘いものを選ぶのかと思ったから驚いた。変かよ、ってちょっと文句言われたけど。

無事に2人分の商品を受け取ってから外に出る、本当は店内で座りながら話したかったけど、この時間はたくさんの人で溢れかえっているししょうがない。

『甘くておいし』

8月の上旬、外は暑くてたまらないけど氷がたくさん入ったキャラメルマキアートが体にしみ渡る。おいしい。

『夜久、おいし？』

夜久「うん、ウマいよ」

暗くなり始めたけれどまだ帰りたくないなんて思ったのは、かなり久しぶりのことだった。