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『クラゲの水槽って、いつまでもいられるような感じがする』
夜久「だなぁ」
『プカプカ浮いて、何考えながら生きてるんだろう』
夜久「なんも考えてないんじゃね？」
『お腹すいたとか、食べたーとか、おなかいっぱいになったとかかな』
夜久「まーそんな感じだろうな」
クラゲ水槽の前で大分時間を持っていかれてしまった、展示を全て見終える頃には14時を過ぎている。ショーも気になったけれど抽選かつ次のショーは1時間後というのでまたの機会にしようと言うことになった。
『お土産だ、ぬいぐるみたくさんある…！』
夜久「おー！カワイイな！！」
控えめな大きさの水族館に比べて、ドンと主張してくる広々としたショップ。
『夜久、何かプレゼントになりそうなものあったら教えて！』
夜久「だから、俺は狼谷とこうやって過ごしてんのがプレゼントなんだって」
『あ、それに前電話したときリクエストがどうって言ってた！！』
夜久「あー、まぁ、ウン」
『それも聞きたい』
ショップの中は一応ひと回りした。混雑してきたから一旦近くにあった椅子に座り、話の続きをする。
『リクエストってなに？』
夜久「うー、ちょっと待って…心の準備」
『う、うん。わかった』
深呼吸を2,3回してから、夜久は私の顔をまっすぐ見ながら口を開いた。
夜久「なんか、カワイイアクセサリーとかをつけてみてほしい。そしてあわよくば、柄とかデザインは俺が選びたい」
聞き間違えたかと思って聞き直してみたけれど、夜久は至って真面目な様子
夜久「狼谷、マネージャーとして入ってくれるまではもっとオシャレとかしてたろ。可愛いゴムで髪結んでたり、たまに髪型いじってたし」
『まぁ、あのときは色々余裕あったし』
夜久「髪切ってからも、すんごい可愛いと思うんだけど、ちょっと残念だなって思った。髪留めとか、そういうの付けたらもっと可愛くなんのにって」
『だって、バレーボールに必要ないじゃん。
中学まではそうだったし、私からしたらそこに戻っただけだよ』
夜久「でも、狼谷には諦めないでほしい。可愛くしてるの似合うし、キラキラしてた。
可愛いも強いも、全部やってよ。狼谷ならきっとできるから」
『……そこまでいわれたら、頑張る
夜久が私に似合うカワイイやつ選んでくれるんでしょ？』
夜久「おう！」
結局、彼のお眼鏡にかなう装飾品に出会うまで店を6軒くらい回った。以前来たときにも気になった商品があると言われては着いてくるしかないしね。
夜久「うん、やっぱこれとこれ！」
小さな紙袋に入った2つを渡された。中身は学校でも付けられるヘアピンと花びらのような装飾のついたイヤリングだった。
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月6日 23時
