繋げ！②【ハイキュー】 (ページ37)

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『ごめん、待たせたっ！？』

夜久「いや〜全然！………待っていつもと違いすぎて直視できな…ぃ、ごめんちょっとタイム」

『ふ、何それ！』

夜久「いつも、モノトーンでカジュアルめだろ！？そんなかわいい服見たことねえんですけど！？！」

『日本語変になってるけど。その、これは新しいお洋服です』

夜久に可愛いって思って貰いたくて。

『メイクも、まぁあんまりしない色…ばっか』

夜久「うん、似合ってると思う」

シーン。この沈黙、幸い辛くはないけど心臓の鼓動だけが聞こえる。体全体に響いている感じがする。

『あ、の…映画館、行きましょ』

夜久「お、おうっ！」

『席、どのあたりがいいとか考えてた？』

夜久「んー、迷う。後ろの方ものびのびできて良さそうだけど、前だったらアクションとか凄そうじゃね？」

『わかる』

チケットを購入し終える頃には、ようやくいつも通り通常運転まで戻っていた。けれど、緊張してるのは変わらない。

夜久「ポップコーン食う？」

『たまには、アリかな』

夜久「味、どうすっか」

『塩とキャラメル、両方にしたら？』

夜久「だなー！」

あ、眩しい。

夜久「暗いから、足元気を付けてな」

『うん』

劇場内は薄暗くて。夜久にも言われたけど、あんまり着慣れないロングスカートだと段差でつまづいてしまうかも、と思ってさらに緊張した。

『予告編見るの好き』

夜久「俺も、好き」

私がスクリーンを見ながらそんなことを呟いてたとき、夜久は前を全く見てなくて。私の方に顔を向けていたのには気が付かなかった。

『(あ、思ったより……怖い)』

私は別に大丈夫だけど。お化け屋敷入ったときは怖そうにしてたし、夜久のことが気になって少し横を向いた。

そんな夜久は、映画に夢中

"「会いたかったッ…！！もう、絶対に離さないから。俺がキミのことを、ずっと守るから！！」"

"「私も、私もずっと会いたかったよ……あり、がとう…あいしてる」"

しかも、感動系だこれ。

途中からなんとなくそんな感じはしていた。未曾有の大災害が起こり引き裂かれたカップルが再会するまで、数々の困難を乗り越えていく超王道なのに、こんな展開が待ってるなんて。

「……」ｸﾞｽ

『(泣いてる……夜久は、こういうの見て泣くんだ)』

すすり泣く声が隣から聞こえてきて、なんだか少し意外だと思った

夜久「いやーーー！マジで良かったな！！！」

『うん、最後会えたしね』

時間は11時を回ったところ。
少し早いけどお腹も空いたし、映画の感想を言い合いながらお昼ご飯を食べる店を探した。