繋げ！②【ハイキュー】 (ページ28)

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結局、烏野が帰ってからは私と若利の話で持ち切りになってしまった。

夜久の機嫌が何となく悪かったのもそのせいだろう、きっと以前貸した男物の服が若利のものだと分かったせいだ。

『若利とはインハイ予選で電話もらったとき以来か、会ったらまず絶対にドついてやるもんね』

黒尾「こら女の子」

『黒尾それ好きだよね』

無事に合宿の全日程が終了しバスに乗って高校まで戻るのだが、荷物をまとめながらひとり言を呟いていたら、黒尾からツッコミを受けた。

黒尾「つか、従兄弟からコース打ち分けのコツ聞いたってウシワカから聞いたってこと？チートじゃねえか」

『運も実力のウチっていうでしょ』

黒尾「カ〜〜〜ッ！腹立つねえ！」

夜久「今回ばかりは馬が合うな」

『えーうそ、夜久もそっち側なの？』

夜久「俺はあの屈辱を一生忘れないと思う」

噛み締めるように言う夜久、へんなの。あ、研磨だ。

『何その顔は』

孤爪「いや、皆してなにやってんの」

『2対1だよほら先輩を守って』

孤爪「俺そういう面倒なの嫌だって、早くバス乗って…」

『はいはい』

確かにバスの乗車口でこれを繰り広げていたのは良くなかったかも知れない。けど、それを平気であんな面倒くさそうな顔して言える研磨はやっぱり肝がすわっているんだと思う。

『ふぅ、学校まで1時間かからないで着くかな』

夜久「着くんじゃね？隣いい？」

『どうぞ』

行きは渋滞に巻き込まれたせいで1時間半ぐらいかかったからな。ずっと座ってるのはストレス溜まるし、かなり疲れた。

夜久「なぁ、この日暇？」

『ん？』

携帯電話のカレンダーを見せて、8月8日が暇じゃないかと聞いてくる。

『その日は、何もないかな。暇だけどどうかした？』

夜久「出掛けたいんだけど」

『いいけど、どこに連れてってくれるの？』

夜久「狼谷の行きたいこと、どこでもいいよ」

さっきまでのあの下らない話はなかった事になったらしい。
きっとみんなは前の座席で眠ってて、私と夜久ぐらいしか起きてないだろうけど、こっそり話す。秘密の作戦会議だ。

『迷っちゃうね、どうしようかな』

夜久「あ、そういえば狼谷気になってる映画あるって言ってなかった？」

『あー、あったかも。夜久はそれでいいの？』

夜久「うん、それがいい」

確かジャンルはラブロマンスで、世界崩壊の危機に瀕するんだけど愛する人のために…ってあらすじだったっけ。

そんなことを考えながら行きたい場所を話していると、もうすぐ着くぞというコーチの声。夜久のおかげで、学校までの時間があっという間に過ぎていった。