繋げ！②【ハイキュー】 (ページ25)

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谷地「あれ？Aさんが髪下ろしてるの、珍しいですね」

『あーうん、髪ゴム切れちゃって。余分に持ってきてなかったんだよね』

清水「ごめん、私も余分には持ってないや」

仁花ちゃん、潔子ちゃん、そして英里と一緒にBBQの支度をしている最中だった。

谷地「あ、私予備のゴムたくさん持ってます！おひとつどうぞ！」

『え、いいの？』

谷地「ハイ！」

ポケットからいくつか髪ゴムを取り出して両手に広げる仁花ちゃん。彼女が使っているのと色違いで、とても可愛らしいゴムだ。

『じゃあ音駒のレッドを、いただきます！』

谷地「どうぞ！！」

あんまりこういった飾り付きのゴムはつけ慣れていないから、上手い具合に結んだ上に星が来るだろうか。何回か試行錯誤しながらいい位置に飾りを持ってくることが出来た。

黒尾「あれ、狼谷なんか可愛いな。どしたのそれ」

『ん？あ、髪ゴム？』

聞き返すと、黒尾はコクリと頷いた。仁花ちゃんに貰ったものだというと通りで、なんて失礼なことを言う。

『黒尾ってほんっとに失礼だよね。私が可愛らしいもの持ってたら変ですか！？』

黒尾「いや、別に変ではないと思うけど…お前シンプルなんばっか持ってたじゃん。そのボールペンだって珍しいなと思ってたんだけど？」

『これは特別、可愛いでしょ』

黒尾「いやね、可愛いけどもね？」

そう言って教室にいるときみたいな他愛もない話をする。バレーの話じゃないのって何だか久々な気がする。

黒尾「え、なに…痛いんだけど夜っくん、え、何なの？」

夜久「うるせえ」

黒尾「本気の理不尽！！！」

夜久から小突かれ続けた黒尾は、寂しそうに木兎たちがいる方へと歩いていった。

『可哀想に』

夜久「……」

『何でそんな言い方したの、夜久の理不尽はいつものことだけど』

夜久「なんか、腹立つ」

『え、腹立つって…本気で黒尾可哀想じゃん』

ムスッとした顔は今では見慣れたが、それにしても可愛い。

『ん、そーだ夜久。』

夜久「何」

『1週間お疲れさま』

夜久「狼谷もな」

『うん、カッコよかったよ』

夜久「な…」

『カッコイイ、がいいんでしょ？』

ある日のことを思い出して、正しい方を選択した。黒尾には悪いけど。

夜久「うん、嬉しい」

『黒尾、そろそろ本気で可哀想だからあんまり当たり強くなっちゃダメだよ？』

夜久「分かってるけど、さ。
狼谷の可愛いは、全部俺のがいいって思った…って言ったら、流石に引く？」

自分勝手でゴメン、って少し自嘲気味に笑った。