繋げ！②【ハイキュー】 (ページ21)

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宮ノ下「みなさーん！森然高校の父兄の方からスイカの差し入れでーーす！」

順調に時間は進んでいって、汗を流したところに染み渡るスイカ。それぞれに切ったスイカを配っていって、楽しく食べているところを見守る。

なんか、母親にでもなった気分。

『夜久、そんな食べて大丈夫なの！？』

夜久「ん？おー、うまかった！」

私が見たとき、夜久は既に8分の1サイズを2つ食べきっていた。よくもまあそんなに食べて入る胃袋が……

夜久「午後は負け少なくできるように頑張るな〜！」

『負けても走るだけだし、私大分慣れてきたよ？』

夜久「そうじゃねえだろ！
いくらバレーする為の体力作りとはいえ負けてマネにも走らせるって嫌だし、勝ちたいだろ！！フツーに！」

『うんうん、ちゃんと見てるから。それなら勝ってね』

夜久「任せろ！」

「じゃあそろそろ再開するぞ〜！」

そんな声が聞こえてきて、坂道に広がっていた部員たちが体育館の中へぞろぞろと戻りだした。

次のゲームはどこだろう、そんなことを考えるのが楽しくて。

これは全部練習試合なのに。練習なのに、そういう気持ちを持っている人はこの場には1人もいなくて、ただ目の前の試合に勝ちたいから、その先の勝ちを掴みたいから色々なことを試行錯誤しながらボールを落とさないよう繋いでる。

『角度ヨシ、スコアの記録も…ヨシ。少しでもみんなの力にならないとね』

タブレットを設置し終えたあと、ノートを開いてスコアを見直した。他校の結果も分かれば良かったんだけど、生憎私は1人だし時間も足りないせいで音駒の分しかない。

あとでかおりや潔子ちゃんたちに聞きに行こうと思う。

「今日はここまで、また明日も頑張れよ〜」

「「「はい、ありがとうございました！！！」」」

本日最後の練習試合が終わってコーチから挨拶がある。
各々個人で自主練をしたり体育館ごとに学校別で練習をしたり、この後は様々だけれど、やはり浮かない様子の男子がひとり。

その子というのが、私のバレーに嫌々ながら参加してくれた月島蛍くん。本当に、研磨顔負けの嫌そうな顔を見せてくれたのだけれど、何だかんだ先輩の言うことには逆らえないらしい。

まあ昨日は、私のことを品定めでもするつもりで参加する気になってくれたのだろう。あんなに木兎くんや夜久からはやし立てられた女の実力はさて、みたいなところだろうか。

『(せっかく190ぐらいありそうなのに、勿体ない。)』