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『あ、音駒坂道ダッシュ？』
夜久「ん？おー、やっぱ梟谷相手だと中々勝ちきれねえな」
『待って待って、私も走る』
黒尾「は？お前、どうした」
『体力付けたいから、音駒が負けたら私も一緒にペナルティ走るから教えてね』
孤爪「それなら俺の代わりに走って………」
『だーめ、ほら行くよ〜』
黒尾「よし、ゴー！」
こうやってちゃんとした練習というか基礎練を行うのって、なんか、久しぶり。懐かしい。
『まって、あの……はぁッ、思ったよりキツいねこれ………』
山本「Aサン、お疲れっす！ドリンクどうぞ！！」
『ん、ありがと』
いつもと立場が逆転しているようにも感じるけど、それもまた。
『じゃあ私戻るから、負けたら呼んで！』
黒尾「負けたら呼んでってお前なぁ…」
灰羽「次は勝ちます！！！」
『うん、頑張ってね』
それなりの量のペナルティをこなして、途中からは試合そっちのけでご飯を作ったりしてみんなに配膳。私も食べるし。
『あー、待って英里、今何人来た？』
そうして今は晩御飯のオムレツを作っている。
やっぱりあたたかいものを食べて欲しいから、と来た人数分作って出してとしていたのだが、チームでの自主練が終わったのか一気に入ってきた。
宮ノ下「えーっと、何人だ…？1、2……8人！！」
『とりあえず3つ出来てるから、あと5個待っててね』
宮ノ下「了解！」
それから、交代が来るまでひたすらオムレツを作り続けた。まだご飯を食べに来ていないのは黒尾に木兎に…烏野勢だろうか
『じゃあ私ちょっと体育館の方行ってくるね』
白福「はーい」
暗い道を歩いて、また体育館の方へ向かう。
あぁ、なんだか2週間ほど前のことを思い出してしまう、なんか変に緊張する。最近は、あんまり夜久とそういう話しないし。
てか、そんなタイミングも無かったか。
『げぇ、』
「何だよ」
『いや、何でも。』
で、そんなことを考えている時に限って遭遇するんだよな。
夜久「今から黒尾たちンとこ行くけど、狼谷も行く？」
『うん、そのつもりで来たよ』
あとから犬岡たちも来るけど、俺は先に出てきた。って言う夜久。バレーをしているのが何よりも楽しい、嬉しいって顔して、やっぱりこの前言われた"バレーが1番"というのを実感した。
私だって選手として今もバレーをしていたら、こんな大事な時期に色恋沙汰でバタバタなんてしていられないだろうし、彼の言うことは最もだ。
『そうだ、仁花ちゃん。』
夜久「？」
『ちょうどいいから声掛けてくる、サポーターも持ってるし』
夜久「おー、いってら」
そうして、私はひとまず仁花ちゃんを探すことにした。
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作者名：HAL | 作成日時：2024年3月6日 23時
