繋げ！②【ハイキュー】 (ページ11)

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あの後、烏野の連携が崩れるか、ギクシャクするかと思えば存外そんなこともなかった。

東峰くんが感じているであろう危機感も、接触プレーとは違う理由で歯車が少し噛み合わなくなった1年コンビも、烏野の課題は山積みのように見える。

『…烏野には勝ちで終わったね、次は生川か。
サーブでまとめて点数持っていかれないようにね、いってらっしゃい』

黒尾「最後だし気合い入れてくぞ！」

「「「おう！！」」」

2日間の合宿は、結構あっという間に終わった。

たった2日しかなかったけれどやっぱり忙しいものは忙しかったし、みんなの手伝いがあってなんとか乗り切れたというような感じ。

東京からは遠くにある宮城勢の烏野は、ひと足先に帰路に着く。

『潔子ちゃんも仁花ちゃんも、気軽に連絡してくれていいからね…！』

清水「ありがとう、でもAちゃんからも話聞きたいからね」

谷地「あ、ああ、ありがとうございます！！」

結局最後まで仁花ちゃんはビビりっぱなしというか、翔陽と話しているときの自然体の感じにならず。再来週からの夏休み合宿でリベンジしようと思う。

主将陣が烏野バスの出発を見送り、また騒がしい体育館へと戻っていく。いつだってバレーボールは待ってくれない。

黒尾「さぁラストスパート、頑張りますか」

『だね、頑張ろう』

あのあと、烏野のみんなは帰ったというのに彼らに触発されたのかみんなの勢いが止まることは無かった。

無駄にではないけれど大分声出したし疲れた。

灰羽「Aサン、フライング出来ないっす」

『私に言わないでよ……』

灰羽「だって夜久さん怖いんですもん！！」

梟谷とのゲームに負けてしまってフライング一周が告げられ、部員たちがそれをこなしたあとリエーフがひっそりと寄ってきてそんなことを言う。

『腕、胸の順番で滑るんだよ。ほらやってみな』

灰羽「はいッス！！」

リエーフのフライングといったらそれはもう酷い。

『もしかして水泳やってる感じ？』

灰羽「本気なんです！！」

『ちょっとこれ持ってて。フライングっていうのは、怖いとか考えていちゃだめ。
そもそもフライングで終わるんじゃなくて、フライングレシーブをしたあとアンタはまた攻撃に戻るの。

だから、フライングするときは肘伸ばして、ボールをイメージして……こう』

灰羽「ボールを、イメージ……」

『いい、分かった？』

灰羽「痛くないんすか？」

『慣れです、はい解散』

いくら慣れているからといっても、そんなに何回もやると痛いからね。見てないでゲーム戻りなさい。