繋げ！【ハイキュー】 (ページ44)

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『(まずは1本目、サーブレシーブ乱れたし誰に……)』

烏野高校、未知のチームでどんなプレーをするのかワクワクしながら高く飛んだオレンジの子を見た。研磨の知り合いらしい。

そして、その子に視線を合わせた時には既にボールはこっちのコートに入っていた。

『は、はぁ？！』

猫又「なんだありゃあ！？トス見てねえじゃねえか！」

普段は温厚な監督さえも大声を上げて驚いてた。
それもそのはず、打った本人は目を瞑っていたんだし。けど烏野の人達が驚いていないことを見るに、あれが彼らの戦い方。

『セッター、レベル高いな』

猫又「リベロもセッターもいいのがいるな、中でもとんでもねえのはセッターだ」

『(あの子、最初見たときは全然そんな感じしなかったけど、しっかりと烏野の攻撃の軸になってる)』

孤爪「翔陽が攻撃の軸なら、翔陽を止めちゃえばいい」

あの子、名前は翔陽というらしい。

猫又「あの9番と10番は言わば鬼とその金棒。まずは鬼から金棒を奪う」

監督のその一言でゲームをどう作っていくかの方向性が定まった。ずば抜けた身体能力を活かして、1年生ながらレギュラー入りした犬岡くんが翔陽にマンツーマンでつくことになる。

孤爪「最初にクリア出来そうにないゲームでも、繰り返すうちに慣れるんだよ」

そういう研磨の言葉は、いつでも信頼感があって、怖かった。この子が敵じゃなくて良かったって、本気で毎回思っている。

それからは結構いい感じだった。

ブロックを寄せたことで翔陽のコースを限定して、それに犬岡くんがついていく。打ち抜いた先には夜久。

そう簡単には崩せまい、と仲間の活躍にいい気分になっていたら、ついにその時がやってきた。

『ナーーイス！！！犬岡よくやった！！』

翔陽にマンツーマンで着いていた犬岡が速攻をドシャットで落とした。もう私も立ち上がってガッツポーズですよね、コートに入れない分声はたくさん出そうと思ってる。

翔陽はやっぱりあの身長だから、これまでにいくつも高くて、さらに険しい壁があったと思う。私は体格に恵まれていたからそういう悩みはなかったけれど、低身長のバレーボーラーにはついてまわる悩みだろう。

「もう1回！！！！」

結局、試合をしていないこっちが遠慮したくなるぐらいの量のゲームを終えて、初の烏野高校との練習試合はお開きとなった。

「次は全国の舞台
ピッカピカでキラキラのでっかい体育館でゴミ捨て場の決戦、最高の勝負やろうや」

監督の楽しそうな声を聞いて、自然と私もやる気が出てくる

『潔子ちゃんにキャプテンくんと連絡先交換できたし、仲良くできるといいな』