繋げ！【ハイキュー】 (ページ42)

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「狼谷起きてるか〜」

『え、あ、うん。今起きました……何時』

「部活開始まであと20分、走れる？」

『………まさか、待っててくれたの』

眠りから覚めて、1番最初に目に飛び込んできたのは私の前の席に座り込んでる夜久の姿。え、夢？

夜久「俺も課題終わらしたかったし、ちょうど良かった」

『ま、マジでごめん。急いで準備する、わっ…！』

どんがらがっしゃん大変です、部活開始まであと20分。目を覚ますと、視界には色んな意味で気になっている男の姿。

相変わらずの優しい笑顔に、心を撃ち抜かれそうになる。

夜久「落ち着けって、焦りすぎ。
狼谷さ、今日の朝練でレシーブ練付き合ってやってたろ？
最近お前働き詰めだから、黒尾と海と話して少し休ませてやろうってなったの。ゆっくりでいいよ」

『いやいやいや、急ぐよ。部員のみんなだって疲れてるのは一緒だし』

夜久「狼谷は普段から筋トレ走り込みしてないだろ」

『まあ』

夜久「授業中に寝るのは良くないけど、そのおかげで俺はカワイー寝顔見れたし？休みが必要なときもあるんだからな」

『……可愛い寝顔とか言うな』

夜久「じゃあお前も、俺のこと可愛いって言うな。」

『………言った？』

記憶を辿ってみると、つい昨日言ったかも。思い出したのと同じタイミングで夜久は私の質問に頷いた。

何だか申し訳なくなって急いで荷物をまとめてから体育館へと向かった。

『可愛いってホントに思っても言っちゃダメ？』

夜久「そしたら、俺も狼谷のこと可愛いな〜って思った時言うけど」

『え、何それ。そんなのあり？』

夜久「つか、俺的には可愛いよりカッコイイがいいんだけど」

『あ、え……そっか。そうだよね、ごめんなんか』

夜久「じゃあカッコイイって思ったら、カッコよかったって言えよ」

『えぇ、何だよそれ』

いつもと変わらない距離感を装って話しているけれど、私の心臓は爆発寸前だ。だってさっきの夜久の言葉から、私のことを可愛いと思ってくれたことがある、って、確定してしまった。

夜久「今日、部活終わったら俺にもサーブ打って」

『えぇ』

夜久「待ってたじゃん」

『わかった』

今日の部活、早く終わって欲しいような、終わって欲しくないような。ドキドキばっかりがあって、みんなに迷惑を掛けてしまわないかが心配になってしまった。

結局部活後の夜久のレシーブ練習に付き合ったけれど、半分以上綺麗に返されてしまって一気にやる気と自信が無くなってしまった。