繋げ！【ハイキュー】 (ページ41)

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『おはようございまーす』

山本「狼谷さんおはようございます！持ちます！」

『軽いし、大丈夫』

山本「ウス！！」

虎とは会う度いっつもこんなやり取りをしている気がする。
最初は話しかけてすらくれなかったのに、今ではすっかり専属荷物持ち、みたいな感じになってる。基本は断ってるけど。

でも、虎はキツいメニューやったあとでも研磨に比べて寝っ転がったりしない。それにまだ余力ある感じだから、ドリンクを配るの手伝ってもらっていて、いつも助かっている。

それを言うとショートするから言わないけどね

「狼谷さんおはようございます！」

『犬岡くんおはよ、朝から元気だね』

「早起きしたのでランニングしてから来ました！」

『(今から朝練なのに……？)』

元気な1年生がどっと入って来たことで、一気に気持ちが切り替わった。すごく新体制って感じがする。

それに今年の1年生はかなり当たりの子が多くて、犬岡くんは勿論、リベロの芝山くんとか。

当然レギュラーを奪われる子も、ベンチからスタンドに移動する子も出てくるわけで、今までは無縁だったその気持ちを考えるようになった。

「センパイあの！！」

『ん？虎谷かどうした？』

「サーブ打ってくれませんか……そのっ、練習終わったあとで、お願いします！！！」

『いいけど』

「やった！あ、ありがとうございます！！」

と、ここでひとつ疑問が浮かんできた

『……ってアレ、虎谷なんで私が練習相手になるぐらいのサーブ打てること知ってるんだろう。』

1人で悩んでいると、休憩しにやってきた研磨がその理由を教えてくれた。

孤爪「狼谷さん、球技大会で有名人だよ」

『え』

孤爪「俺は見てないけど、決勝の15点全部サービスエースだったんでしょ。バレー部の奴は皆知ってると思うよ」

クロなんて動画撮ってたし、って言われた。どっか行った。

『………なるほどな』

ようやく合点が行った。本当にたまにだけど、あれか。とか、あの人があの狼谷ね。みたいに言われることがあったからようやくその真相を掴んだ気分。

あれは、私の八つ当たりでもあったから、それを褒められるのはあんまり良い気持ちもしないけど。

練習が終わったあとは、虎谷に頼まれた通り始業時間ギリギリまでレシーブ練習をした。

その日の授業は言うまでもなく、半分以上の時間を睡眠に充ててしまった。先生にこそ怒られなかったが、こんな調子じゃいけないな。

黒尾「眠り姫随分ぐっすりだけど」

夜久「最近後輩のレシーブ練付き合ってるもんな」

黒尾「ギリギリまで寝かせてやるか」

夜久「だな」