繋げ！【ハイキュー】 (ページ39)

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黒尾「じゃあ俺は先生たちの所行って来るから」

『は、はーい』

黒尾の言葉の続きが容易に分かってしまった。

先生たちの所行ってくるから、夜久のご機嫌取り宜しく。なんだろう。今度肉まん奢らせてやるんだから。

『夜久さん』

夜久「何だよ」

『一緒に帰ろ』

夜久「はぁ？いつもみんなで帰ってんじゃん」

『じゃなくて、2人で』

夜久「2人で？」

私の思い切った提案に、夜久の表情からは苛立ちが消えて新しく驚きが見えた。

『寄り道したいところがあるんだよね！』

あと一押しだと分かれば惜しまず次から次へとまくし立てた。

夜久「いいけど」

『じゃあ準備して、黒尾に連絡入れとくから帰ろ！』

夜久「おう」

久しぶりに大所帯じゃない帰り道、懐かしいような寂しいような。でも隣には夜久がいるからむしろラッキー、的な？

夜久「どこ行きてえの？」

『なんか、最近できた雑貨屋さん。食べ物ないんだけどいい？』

夜久「全然いーけど、もしかして狼谷って俺のこと息子がなんかかと思ってる？」

『……そんな子に育てた覚えはありません？』

夜久「俺も狼谷に育てられた覚えはねえよ」

そんな下らない話をしながら歩いていたら、目当てのお店の看板が見えてきた。可愛すぎず、かといって質素な訳でもない、落ち着いた雰囲気のお店だった。

夜久「ここ？」

『そうそう、文房具欲しくて』

夜久「文房具か、俺も新しいの買おうかな」

『お、いいね。』

店の中に入って色々店内を見渡した。

思ったよりたくさんの種類の文具があって、もしかしたら一日中いれちゃうんじゃないって思うほど充実した品揃えだった。

『見てこれ、可愛い』

夜久「ボールペン？」

『そう！』

夜久「猫のチャーム付きか……可愛いけど俺が持つには可愛すぎるよなぁ」

軽く流されたかと思えば、夜久は本気で悩んでいるようだった。この可愛いのが欲しいのか。

『そしたら、私も買うからお揃いってことにする？』

夜久「………狼谷が、嫌じゃないなら」

『いいよいいよ、グリップのとこも赤いから音駒カラーでちょうどいいじゃん！』

夜久「狼谷、他は？」

『ボールペン欲しかっただけだから、丁度可愛いの見つけたし満足だよ』

そうして合計2つのボールペンを購入してお店を後にした。
文房具の他にもアクセサリーなんかが豊富に置いてあったから、また来ようと思う。

『なんか、ちゃんとしたお揃いって初めてかも。
さっきはいいかもって思って提案したけど、夜久こそこれお揃いにしちゃって良かったの？』

今さら、我に返ってとんでもない提案をしたんじゃないかって思ってしまった。