繋げ！【ハイキュー】 (ページ26)

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黒尾「狼谷、それでいい？」

『いいよ、来年からは対外試合増やす方向で。』

黒尾「合宿とか、あとは宮城の方でも試合するみたいだからそこんとこは各自家庭に知らせといて貰って、」

『宮城行くの？』

黒尾「ん？あー、何か監督の知り合いがいるんだって。」

『私も宮城に知り合いいるから楽しみ』

黒尾「確かな、監督カラスノって言ってたぞ、知り合いってバレー関係？」

『うん、知り合いっていうか従兄弟なんだけどね』

主将とマネージャーが呼ばれて先生たちから来年度の方針についてを色々確認していた。

次年度から3年生になる私たちの気持ちを汲んでか、今年と比べて試合をたくさんするのだとか。それに、これはコーチからこっそり聞いた話なんだけど猫又監督にも実現したい何かがあるのだとか。

それは、一部ではネコ対カラス・ゴミ捨て場の決戦と呼ばれているらしい。

『ゴミ捨て場の決戦、かぁ……』

黒尾「やってみてえなぁ、それ」

『けど、まだ相手がどんなチームかも分からないじゃん。
烏野ってあの小さな巨人がいた所だよね、あれから春高とかインハイで名前聞いたことないよ？』

黒尾「それはまあ、ウチも同じだからな」

『そうだけど……従兄弟から聞いた話だと、やっぱり宮城県内では白鳥沢一強なんだって。あとは青葉城西ってに凄いセッターがいるらしいんだけど…あんまり分かんないね』

黒尾「だから宮城行きたいのか」

『うん、あの人が絶賛するセッターを見てみたいんだ。』

もう何度目かも分からないぐらいの2人で並ぶ帰り道、普段そうやって言うことが少ないからこそ黒尾は変な反応をした。

黒尾「嫉妬しちゃうねぇ、お前がそこまで言うヤツなんて」

いつも通りなんだけど、言葉の奥の奥の方に熱を持っているみたいだ。貫かれそうな視線を向けられ、つい目を逸らした。

『もう10日もしたら2年生も終わりかぁ……』

黒尾「何、センチメンタル？」

『まぁ、ちょっとだけ。』

黒尾「あと1年だもんな」

『………春休みさ、部活オフの日4人でどっか行かない？』

感慨深い気持ちになって、立ち止まってそんなことを言った。

珍しいことを言ってると自分でも思ったけど、やっぱり寂しいものは寂しいんだもの。

『それに進路希望調査も来たから、とりあえず現実逃避したい』

黒尾「げぇ、忘れてた………そうね、しようか。現実逃避」

ニヤリと笑う黒尾も、どうやら乗り気になってくれたみたい。

けれどその前に、明日は友達と出掛けるんだった。