繋げ！【ハイキュー】 (ページ23)

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『……どこ、だったんだろ』

球技大会が催されたあとすぐに卒業式がやってきた。1つ上の先輩たちは本当に知らない人ばっかでなんなら関わりたくないまである。

それとはまた関係ないけれど、私は球技大会のときに感じていた懐かしさのようなものをどこで感じたのかを考えていた。

黒尾「狼谷〜部活行くぞ」

『うん』

黒尾「来年は期待の新人でも来るといいな」

『そうだね。インハイも春高も、音駒が全部かっさらおう』

黒尾「おーおー、怖いぜ」

部活に行こうぜ、といつものように私の机の前まで来る黒尾。今さら逃げるわけも無いのにね。

黒尾「何か狼谷サン、最近考え込んでること多くねえ？何かあった？」

『うーん、何か、球技大会のときに感じた懐かしさはどこで感じたんだっけ、と思って』

黒尾「は？どういうこと？」

『優勝したあとクラスの子たちに囲まれてたときに、なんだか上目遣いというか、そういうのが懐かしいなって思ったんだよね』

黒尾「で、それが思い出せないの？」

『いや、それをどこで感じたんだっけって思って』

私の代わりにうーんと考え始める黒尾。何だろうねって2人で話しているところに、海と合流した。

海にも同じように話してみれば、部活になったら分かるんじゃないかな？とのこと。

海は既にその答えが分かったのか、いつものようにニッコリとした微笑みで私のことを見た。正直ちょっと気味が悪い。

『えー、なんだろ。』

黒尾「………あ、俺も分かったかも」

『え！！』

黒尾「なるほどな〜、たしかに部活になったら分かるかもな！」

と、コイツもいつものような胡散臭い笑みを向けた。

『はい、Bチームフライング一周。こらそこ、サボらない！』

けれど部活の時間になっても私はその答えが分からない。

うーん、うーん。そうやって唸っていれば勝ったチームにいた研磨くんが不気味な顔で私のことを覗き込む。

孤爪「どうしたの、なんか変」

『………ちょっと近い、かも。何なんだろう、どこだっけなぁ』

孤爪「え、怖い……」

ブツブツひとりごとを呟く私をさらに不審がって、研磨くんは黒尾たちの方へ戻って行った。

『小さい子、バレー部………スキンシップ…多め。まさか』

まさか。

『(う、うわ〜〜〜〜！！)』

もしかして、もしかするの？

「おーい、どうかしたのか？」

『……お前だ！！！』

「うおっ、なんだよ、驚かせんなって」

女の子顔負けの愛らしさある行動、夜久衛輔。私の顔を覗き込み、上目遣いで話しかける懐かしさの正体はこれだった。