繋げ！【ハイキュー】 (ページ21)

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決勝戦、相手のチームは1つ上の学年だった。まあ試合をやるからには年齢も見た目とかも、そんなのは気にしない。

「あの子最近調子乗ってるよね〜」

自販機に飲み物を買いに行った時聞こえてきたのはそんな声、不思議とこういうのって自分の話だったりする。

「っていうか、あんなんでバレー部のマネージャーなら私たちでも出来るくない？」

「それなー！何かちょっとバレーボール出来るからどんなもんだろうって思ってたけど、あのぐらいならウチらでも勝てるよね！？」

イラッとした。

"あんなん"とは？

『挑発に乗るのは良くない。けど、ああいう風に言う人たちには負けたくない。』

黒尾「さっきアイツに声でも掛けようかと思ってクラスの所行ったんだけどさぁ」

海「おかえり、狼谷とは話せた？」

黒尾「んーや。あの人多分今ノってるね」

夜久「ノってる？」

黒尾「その、話し掛けられる雰囲気じゃなかったっつうか……」

ﾋﾟｰｰｰｰｯ！！

海「お、始まる始まる。」

夜久「あれ、サーブのときあんなにスペース取ってたっけ。」

「ナイッサーー！」

笛が吹かれてから8秒間、その間だけは私は自由だ。

そう思ってた。

でも、こんなお遊び程度のバレーボールではその8秒は存在しなくて、けれどそれ以上に心強い仲間がいた。

『(やられたらやり返す主義だよ、私)』

視線で方向を定める、うん。トスいい感じ。

黒尾「じゃ、」

夜久「ジャンプサーブ！？！」

『っし！！！』

その日は、あんな言われようだったけれど私はとっても調子が良かった。

『もう一本、行くよ〜』

ドンドンと私にしては珍しくジャンプサーブが連続で決まってスコアは5-0。この球技大会は15点マッチだから、もう少しは粘ろうと思う。

7点ぐらい取れたところでだんだんとサーブのコースが思うように行かなくなってきた。あと、相手のチームも目が慣れてきたみたいでコースに入ってくるようになった。

『(なら、こっち……)』

従兄弟に教えてもらったジャンプサーブと、ずっと鍛え続けたフローターサーブ。何年やらなくても身体が覚えていた。

ゆらり、手元で伸びたり縮んだり、ボールが床に落ちるまでに相手が1度触ってしまえばこっちのもんなので色んな方向にうち分けてみたり、コートを支配している感覚が堪らなかった。

ﾋﾟ､ﾋﾟﾋﾟｰｰｰッ！！

「や、やったーーー！狼谷さんスゴーイ！！」

「1人で15点取っちゃった〜！！」

夜久「あのサーブすげえなぁ…取ってみてえ！」

黒尾「それはまあ、そうだけど。相当やばくねえか？」

海「うん、たくさん練習してたもんね」

「お前は知ってたのかよ！！」