繋げ！【ハイキュー】 (ページ19)

今日:85 hit、昨日:280 hit、合計:224,249 hit

19 ページ19

海「なんかさ、最近の狼谷空回ってるよね」

夜久「あー、海もそう思う？」

海「らしくないっていうか。あ、ホラ今だって後輩に」

確かに海の言う通りここ最近の狼谷Aは、調子が悪いような気がしていた。

夜久「帰り聞いてみるわ、俺。」

海「宜しく、何かあったら教えてね」

夜久「おう」

部活の終わり、自主練するために残っている奴らを放って夜久は狼谷を連れて部室にいた。

黒尾、研磨、虎谷に頼んでそれぞれ学年の子たちを少しの間部室に近づけないでほしいと頼んで許可を取った。

『あ、の……何』

夜久「最近調子悪くね？」

『え』

夜久「なんつーんだろ、忘れ物多いし、失くしモンも多いなと思って」

優しい声で心配してくれてる様子がひしひしと伝わってきて、その温かさに耐えきれなくなった涙腺が決壊する。

『……ごめん、夜久、ごめんなさいっ』

夜久「え、えっ……！？どうした、な、そんな…何があった？」

『夜久のジャージ汚しちゃったの、ごめん』

夜久「いや、別にいいけど。」

『だからね、あの、洗って返すからまってて』

夜久「いいって、気にすんなよ。俺とお前の仲だぞ？」

『………す、すっ転んで泥まみれのジャージを、そのまま返せる仲ではない』

夜久「まあ狼谷が納得するんでいーよ、俺は」

底抜けに優しい、良い奴。かっこいいやつ。

それは相手が私だから？それとも、君の好きなショートの女の子だから？

『夜久、ズルい！！！けっこんして！！！』

夜久「それはまた今度な〜」

『っ、うっ………もうやだ！！！！

教科書無いのに気づく度に夜久んとこ行かなきゃ行けないのも、ジャージ貸してくれたのに汚しちゃうのも、それで自分が調子悪くなって選手に心配されんのも、全部やだ。もうっ』

夜久「じゃあ俺たちのこと頼れば？」

黒尾は同じクラスだから教科書借りれないし、海も同じ時程でやってるから借りれない。

『………あのね、怒んないでね』

夜久「ん？」

『教科書も、ノートも、夜久のジャージも、私ほんとは何もしらない。どうして無くなってるのか分からないの。』

夜久「……は？」

涙と一緒に溢れ出た事実に、夜久は苛立ちを見せた。
なんだか、どす黒いオーラ的なものが見えたような気がする。気のせいじゃない、怒ってる。

『お、おこんないで、やく』

夜久「怒ってねえ。」

『おこってる、おこってるじゃん！』

夜久「狼谷はいつも、大体自分ひとりで全部何とかしようとしてそれが出来る。
でさ、今お前が悩んでる奴らはそんなAをここまで追い詰めたってことだ。

大事な仲間が傷つけられてんの知って、俺が怒んないと思った？」