繋げ！【ハイキュー】 (ページ12)

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『どんな練習するの？』

木兎「とりあえず、スパイクをうつ！！！」

思っていたよりも、木兎光太郎という人間はイマイチよく分からない。あれから通りがかった夜久と虎が加わり、木兎くんは3対3をやろうぜ！だなんてはしゃいでいた。

木葉「夜久がリベロだし、狼谷さんに打つわけにいかないから実質2対2か。」

『でも夜久はセットしないから私のチームの方が有利なのでは？』

ネコvsフクロウ、黒尾・夜久・虎のチームと木兎くん・木葉くん・私のチーム分けで軽いゲームがスタートした。

黒尾「ジャンプでいい？」

『取れないから、ヤメテ。入れるだけサーブにして』

木兎「俺の方狙うならジャンプサーブにしろよ！！！」

黒尾「そんな器用じゃねえ…けどっ！」

今ではすっかり聞きなれた、手のひらとボールがぶつかるバシン！という強烈な音が響いて、ゲームがスタートした。

サーブレシーブが乱れたのと久しぶりだったので綺麗なAパスにならなかったけれど、木葉くんが上手い具合にセットしてくれたお陰で木兎くんが打ち切った。

夜久「やっぱ来るって分かってても取りずれえなぁ！」

とか言いつつも綺麗なAパスを返す夜久には腹が立つ。

黒尾「虎ッ！！」

『……！！』

黒尾が返すかと思いきや、虎にセットした。
虎の正面に向かい、まるでコースが一筋の光になって見えるような感覚。久しぶりの静寂というか。

『………ッ、たぁ！？！？』

山本「ええぇ！？！？！」

『拾ったり！』

夜久「完璧じゃん！」

真正面から来たから、スパイカーが技をちゃんと持っている上手なクロスだったから、ボールのライン上に丁寧に腕を設置してあげたから、まぐれではないけれど、そんなに驚くことでもない。

私はすぐさま立ち上がり、木兎くん、木葉くんの方を見た。

これはもう決めてくれるだろう、あとは宜しく。

『ひ、ひりひりする………』

黒尾「保冷剤！」

木兎「おう！」

山本「す、すんません！！！痛えッスよね、ああああああ狼谷サンの華奢な腕にオレはなんてことをッ！！」

なんて必死に頭を下げる虎、さっきから気にしないでって言ってるのにずっとこの調子だった。

夜久「そういえばリベロやってたんだっけ」

『うん』

夜久「体、全然なまってないじゃん」

『でも、足あんまり動かなかったかな。それにちょっとスパイク怖かったし……』

夜久「怖かったか…まあ、それはしょうがねえよな。男子と女子だとそこの差どうしても出てくるわけだし」

私と並んでも、頭ひとつ分ぐらい小さい夜久

それなのに彼が後ろにいるだけで、なんだか大丈夫だって思わせてくれるその大きな背中はいつも頼もしかった。