にんにく食べてもキスがしたい！【東リベ】 (ページ3)

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『り〜んど〜うくーーーんっ！』

「今日はどこなんだ？」

翌日、つい数時間か前の自分が考えていたように行きたいお店を調べていた。

『何でわかった！！！
あの、今日は六本木にあるお店だよ！』

「ラーメンじゃねえな？」

『うん、違う。今日はアヒージョ！！』

「そっか。分かった。
仕事休みなんだろ、久しぶりに朝から2人で飲むか？」

『いいねえ、最高！！！
竜胆くん好みの可愛い格好して、準備してくるね！』

出会った時の彼は、なんというかもっとカッコよかった。

今がカッコ悪いなんてことは絶対になくて、いうなれば素性の分からないような不安な要素がなくなった、ということだろうか。

出会ったばかりの頃は、私も彼もお互いに綺麗な部分しか見せていなかった、ということだ。

『竜胆くん、アイシャドウどっちの色が好き？』

「どっちも」

『じゃあ、グラデにしよっか…』

彼は今では、竜胆くんと私が呼ぶその声色から言いたいことが分かるのだというように私の言動を言い当ててくる。

私も竜胆くんもたくさんお酒を飲む方だから、出会いもそんな感じだった。

竜胆くんのその見た目や纏う雰囲気にビビっと来たのが始まり、猛アタックに猛アタックを繰り返したのだ。

『ふふっ』

「どうかした？」

『んーん、思い出し笑いだよ』

黒川イザナを頭に置いて活動しているNPO法人の中で働いていて、そこに昔馴染みである彼が来たことが全部の始まりだったっけ

「え？何それ聞きてえ」

『竜胆くんと初めて会ったときのこと、思い出したんだ』

「あぁ。一目惚れ……って言ってたヤツ、な？」

竜胆くんはいちいちポーズを決めてくる、ドヤ顔で。

それも含めて愛しいから全然良いんだけとね、可愛いしカッコイイし

ただ、よく話に出てくる兄ちゃん・兄貴という人がずっとずっと気になっている。気になってしまっては仕方なくて、会いたいとも何度か言った。

けどダメって言われた。

理由を聞いたけれど教えてくれなくて、日に日にお兄さんのことが頭を占めるようになっていった。

が、それも大量の油の前ではドロドロに無くなっていくのだ。

「準備できたー？」

『あと髪！』

「俺やろうか？」

『いいの？やって！！』

彼から触れられるのが本当に好きで好きで、いつにもなく顔が緩んでいく。そして頬をつねられる。

「カワイー顔」

『りんどうくんもかわいいよ！』

「……」ﾑｽ

どうやら竜胆くんは、可愛いよりカッコイイと言われたいらしい。