アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ6)

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『なんか、職場体験思ってたより何もできなかったね』

轟「仮免も取得できていないからな、しょうがないだろう」

『確かに………あ、ねえ炎司くん。質問いい？』

轟「何だ？」

『私たち雄英高校の生徒だけじゃないけどさ、基本仮免って2年で取るでしょ？』

轟「だな」

『でも、先生たちからオーケー貰えたら1年でも受けられるじゃん。私は受けたいんだけど、炎司くんはどうする？』

轟「俺は受けるつもりだ」

『そっか、そうだよね……うん、じゃあまた特訓付き合ってほしい！』

轟「分かった。」

仮免試験まであと1ヶ月、2人で職員室へ行き先生から許可を貰うことが出来た。

その日から、2人は毎日放課後のグラウンドや体育館で外が真っ暗になるまで試験への対策をするべく訓練を受けていた。

「うん、2人とも良い感じだな。
明日は仮免試験か……今年の1年、ウチからはお前ら2人だけ。難しい道だろうが、頑張って来いよ！」

『「はい！」』

仮免試験も当日を迎え、紆余曲折を経て私と炎司くんは晴れて仮免を取得することができた。

その事を電話で担任の先生に報告すると、半泣きで喜んでくれていた。ウチの担任の先生は熱い男だけど涙脆くて、とっても優しい人だ。

『じゃあ、もう日も暮れてるし帰ろっか！
炎司くん今日はおつかれさま！ゆっくり休もうね！』

轟「なぁ、水野。」

『なに？』

轟「嫌だったら構わない。この後時間あるか？」

『あるけど、どうしたの？』

ドキドキ言ってる心臓、彼の目をまっすぐ見た。

あぁ、今日の試験で擦りむいた傷のせいで万全の私じゃないのが悔やまれる。

轟「晩メシ、食っていかないか？」

『！』

いつもいつも何かをする時は私から誘っていたけれど、彼と友人になってから7ヶ月目のとある日、初めて彼から誘いを受けた。

『もちろん！いいよ！！！』

そのせいで嬉しさが込み上げてしまい、いつにも増してテンションが上がってしまった。引かれて無いかと心配になって彼の顔を見上げれば、いつものように笑っていた。

轟「実は母親が用意してるんだ、家でも良いか？」

『も、ちろん……良いけど、私なんかがお邪魔していいの？』

轟「あぁ。
前に家で水野の話をしたことがあってな、友人なら連れて来いと言われてしまった。」

少し恥ずかしそうにそっぽを向いてそんなことを言う目の前の男の子。

友人だ、と認められたのが嬉しくて、それ以上になりたい気持ちが溢れて止まらなくなってしまう、少しの寂しさと。

『ぜひ！お邪魔させてください！！』

精一杯の笑顔で答えた。