アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ47)

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雑誌を読み終えたところで、中々気持ちが戻ってこない。

ずっとポカンとしている。だって、ほとんど中身私のことだった。

『とりあえず、メッセージだけでも返すか』

高校の頃からの付き合いになる親友にまずはメッセージを返した。あれは私のことだったよな…？と。

即既読がついて、絶対そうだった！と同意をもらった。

最近は今まで疎遠になっていた元クラスメイトたちと連絡を取ることが増えた。

みんながみんな生活が落ち着いてきた、というのもあるだろうし、私や炎司くんのようにメディア露出が多い人間が2人もいるクラスだからそういう思惑も少なからずあるだろう。

『エンデヴァーさん、これは反則ですね。』

私も雑誌のインタビュー記事で仕返しして、やろう……かな。

SNSで雑誌についての口コミや感想を見ている中で、ニアというヒーローはどうやら水野Aのことだという記事を発見した。それは合ってるからいいよ。

学生時代からヒーロー名を変えていないし、護衛のときもニアと名乗ったし、これは別に隠している訳でもないだろうからね。

でも、問題なのはそれではなく理由の方、らしい。

自分でもすっかり忘れていたが、デビューしたての頃に初めて受けたインタビューで同じようなことを私も答えていた！熱愛！？！？みたいなコメントを発見してしまったのだ。

『うっわぁ、本当だ………おんなじこと言ってる……』

弁解したいけれど、ここで生配信とかしても火に油を注ぐだけだろうし、仕事が落ち着いたら、今度はホークスを交えて3人で生配信ってことにしようかな。

*

そう考えていたのが3日ほど前。思い立ったら吉日、ホークスに先に連絡を入れてOKを貰えたらエンデヴァーにも声をかけるつもりだった。

私のことを知っているホークスに相談して、どこまでが言っても良い範囲なのだろうと街の声をよく聞いている彼からアドバイスをもらった。

『こんにちは、いらっしゃい』

「こんにちは、お土産です。」

『どうもありがと、炎司くんからは？』

「無いな」

『までもチョコレートくれたよね、あれ美味しかった』

「俺だと気付いてたのか。」

『あれ炎司くんじゃなかったらビビってるから。
とりあえず打ち合わせ軽くしよう、入ってどーぞ』

楽しそうに家の中に入ってくるホークスと、なんだか難しそうな顔をしているエンデヴァー。

『あのさ、聞いときたいんだけど冷さんは私と炎司くんが付き合ってたこと知ってるの？
冷さんだけじゃないね、轟家の人達は。』

本題に入ると、炎司くんは気まずそうに目を逸らした。