アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ44)

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『……ん"ん"っ、はーいこんにちは！』

今日は、病院の先生に許可を取り自分の病室から配信を行うことにした。

スマホを固定できるアームをベッドの付属の机に取り付けて、位置を調節し配信開始ボタンを押したら直ぐに配信が始まる。

まだいつものようにとまでは行かないけれど、日本は大分元気になったと思う。

最近は、ニュースでも明るい話題が増えてきた。

『久しぶり！入院中なのであまり騒げないけど、ごめんね』

『怪我してるって？そーだよ、もう大怪我してたからね
もうさ、ヒーロー免許取ったのなんて何十年も前なのに超頑張ったんだよ？！まあ、全然力にはなれなかったと思うんだけど、こうしてまたみんなと笑い合える今日が来たからよかった』

『退院はいつか？うーん、いつだろう。まだそこのところは話せてないんだよね〜
って、質問コーナーみたいになってるじゃん。みんなそれでいいの？』

かなり間隔をあけていたせいか、今日は流れるコメントをひとつひとつ追っかけて行くのは難しそうだった。老眼かな。

いい！とかいいよ！なんて肯定する声が多くって、愛されているのだと胸が暖かくなる。

『みんな私のこと大好きだね〜
じゃ、今度はちゃんと質問コーナーって動画作るからそれ用に色々質問投げてよ、相談ごとでもいいからね。
あと、もし気になる企画があったらできる範囲でやってみるからみんなの意見教えて』

今日は家じゃないから、声のトーンも普段より下げて、落ち着いて話している。

そのせいなのか配信を見ている人たちからは元気がないのかと聞かれる始末。

『元気がないわけじゃないのよ。
普段とか、プライベートは結構こんな感じだし、病院だしエンデヴァーグッズも無いから騒げないでしょ？
だから、うーん……そうだ、興が乗らないってことにしておこうか』

『じゃあ目に付いた質問にでも答えていきますか』

『えー、Aさんのいたブロックに避難していたものです。生々しい話で恐縮です。
あの時、炎熱で脚が溶けていたように見えたのですが、具合はいかがですか。

あのブロックにいたの！？それはもう情けないとこをお見せしてしまい……
溶けてたのは義足で、私本体は火傷ぐらいなのでお気になさらず。こうして今もピンピンしてるよ〜』

安堵する顔文字だったり、安心しました！というコメントが溢れて、つい顔がほころぶ。

『じゃ、次ね。
どうしよっか、なんか目につく……ん？ごめん来客。』

丁度いい所だったのに、と配信をミュートにして扉の方へいこうと画面に手を伸ばしたところで、勝手に扉が空き来訪者が声を上げた。

『ばかやろう！！！』