アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ35)

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「Aさん、準備出来ました！」

『はい、分かりました。
そしたら塚内からゴーサイン来るから、それまで待機』

「はい！」

『ん？どうかした？』

今日は、最終決戦としてこちら側からヴィラン側に奇襲を仕掛ける日。私は兄のお陰でもあるが、作戦の全容を聞いている。

今はこの前一緒に話をした1年B組の拳藤一佳さん、鉄哲徹鐵くんと一緒だ。

拳藤「塚内さんって、警察の人ですよね。呼び捨てなんですか？」

『まあ、歳もだいぶ下だし塚内で良いって言われたしね』

拳藤「え、Aさん何歳……？」

『ふふ、ヒミツ！』

あとから考えれば、この時間は本当にほんの少しの猶予だった。
こうして拳藤さんと話している時間がどれだけ幸せな時間だったのだろうと思うぐらいにこれから私たちを待ち受ける未来は想像を絶するものだった。

私はエンデヴァーに言われた通りに轟家のいるブロックに付き、彼女たちと接触するためにそのブロックの人たち全員に挨拶をして回った。

『本日、警護を担当します。水野Aです。
ヒーロー名をニアと言います、呼びやすい方で呼んでください。宜しくおねがいします。』

冷「ええ、宜しくお願いします」

冬美「あ、やっぱり！貴方アイドルのAさんですよねっ！
焦凍が貴方のこと好きで、あ、焦凍って言うのは……！」

恐らく彼女は焦凍くんの姉だろう

『以前エンデヴァーの事務所にお邪魔した時にお会いしました、焦凍くん。少しお話もさせて貰えたのですが、とても素敵な子で、あんな素敵な子に応援してもらえていると思ったら嬉しいですね！』

夏雄「へぇ、焦凍が。珍しいね」

冷「そうね、焦凍とも話してくれたみたいで、ありがとうございます」

『お礼を言うのは私の方ですよ、いつも元気をもらっていますから。』

じゃあまた、と彼らの表情が曇ったのには気が付かない振りをした。

けれど、どれだけ貴方たちがエンデヴァーを、轟炎司を恨んでいたとしても私のように彼に救われている人間がいるということも知っていて欲しいから。

『雄英バリアが発動してからは士傑高校に移動するまで揺れがあったり不安になるかとは思います。
ただ、私たちヒーローが貴方たちを全力でお守りするので安心してください。』

ズキン

『……？』

何だか、頭痛がした。

けれどこれは最近立て込んでいて、慣れない場所での休息で疲れが溜まっているだけだと思う。

残念ながらこれぐらいで音を上げる私では無い

どうやら戦いの本番はここからのようだ。