アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ33)

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「わ〜〜〜！！アイドルの水野Aだ！ホンモノだ！！」

『皆さんこんにちは！
本日から皆さんの警護を担当させて頂きます、水野Aこと【ニア】と申します！』

今日は、雄英に避難してきている人たちとの顔合わせが行われた。
当日いきなり私がチラッと出ていったら別の意味で大混乱、となりかねないという考えを持っている人が何人かいるとかいないとか。

『実はね、私ヒーローの免許を取っていたんです。
もうずっと昔になるけど、もし私に何か出来ることがあるのなら、私もみんなと一緒に戦いたいから。』

人に注目されるのは苦手。特にこういう、マイナスな気持ちが溢れるところが昔から苦手だった。

だから私からは絶対にそういう空気を作りたくなくて、そんな空気になっても辛いことがあってもまた笑えるように、ってヒーローを志した。

『みんなが不安で、私もみんながいるから何とかやっていけるようなこんな不安定な今だけど、だからこそ出来ることってあると思うの。
明日……ううん、1分後にみんなの隣にいる人が笑顔になれるように、私たちは全力で貴方たちを守るから。だから、またみんなで笑えるように一緒に頑張ろうね！』

アイドルだなんて今考えるとまるで似合わないようにも思うけど、こうして私の姿を見たり声を聞いたり、私の言葉で奮い立つ人がいるのなら私はどんな苦手なことだってやってやるんだ。

「……？」

『(あ、あの…人)』

避難所の中で、自己紹介を兼ねた挨拶を済ませて移動しようと思ったとき、ふと目が合った。

『(轟、冷さん。炎司くんのお嫁さんだ)』

怪訝な顔をしているのか、なんだか冷たい目をする人だと思った。

「あ、水野さん。少し良いですか」

『は、はい！何でしょうか！』

雄英に来たはいいものの、全く気の休まる暇がない。
まずは避難民と顔を合わせて、その次は雄英生に教師陣、みんなと顔見知りになっておかないといけないのだとか。

たしかに、護衛する側の人間がヒーロー同士で顔を知らないというのは少しマズイかもしれないしね。

『こんにちは……かな？』

そうしてやってきたのは前にも来た生徒たちが生活している寮の辺りだった、少し違うのはクラスがB組だということ。

B組の生徒は、雄英で護衛を行う子たちもいるそうで、兄から円滑な連携が取れるように親交を深めるべし、と言われた。

寮の共有スペースと呼ばれる場所で軽く自己紹介をして、ブラドキングさんをはじめ、学生たちに既視感のある質問攻めにあったのはここだけの秘密。