アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ4)

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『遊び尽くしたーーーっ！！』

轟「大分暗くなったな、時間は大丈夫か？」

『うん、私の家放任主義なんだよね。
やることやってるしあんまり口は挟まれないの！』

帰り道を歩いている最中、夏祭りの貼り紙を見つけて思わずそんな時期かとカレンダーを見た。

『ねー、炎司くん。夏休み暇？』

轟「合宿があるだろ」

『そうだけど、そうじゃなくてさぁ』

轟「どういうことだ……？」

『お祭り行かない？』

コレ！と指をさして張り紙に書いてある日時や場所を伝える。

『この日って合宿終わったあとのさ、振替休日じゃない？』

轟「確かに、そうだな……」

『あ、でもっ、無理にとかは言わないからね！？』

轟「空けとく。」

『いいのっ！？！？』

轟「あぁ、毎年父が警備をしていると言ってたから、どんなものなのか気になるしな。」

『あ、お祭りじゃなくて警備が、ってことね？』

轟「祭りも、だ。」

話を詳しく聞いてみれば、炎司くんの父もヒーローなんだと言っていた。

言葉にこそしなかったが、彼の父は自分の最も尊敬する人で憧れていると。きっと炎司くんはお父さんのことが大好きなんだろうな、って、そう思った。

『じゃあ、まずはテスト頑張ろうね！
みんなで合宿行くんだもんね、そして次はインターン！』

普通科の高校生と比べたら騒がしくて忙しなくて大変な学生生活だと思う。けれど、その忙しさに値する価値のある時間を今過ごしていると実感していた。

『またあしたね！』

「あぁ、早く寝ろよ」

『はは、炎司くんお母さんみたいだね！』

彼はそのまま家の前まで送ってくれて、私は両親のいる家へと玄関の扉を開けた。

偉くご機嫌ね、と母に言われて今日あったことを思い返した。

たくさん写真も撮って、おいしいものを食べて好きなことを話して。私ばっかり話していたせいで彼が退屈していないかが心配だ。

けれど、私を見る彼の瞳はとっても優しく見えて、それだけでもう十分なぐらい私は幸せだ。

『けど……なぁ、』

最近、それだけでは足りなくなってきている。

彼、もとい轟炎司と出会ってからそろそろ4ヶ月が経過する頃になった。高校では席が隣になったお陰でほぼ毎日顔を合わせて話をしている。

世間話は私からの一方的になってしまうことが多いけど、それでもここ1ヶ月ぐらいは彼の方からも話してくれるようになった。

と、言ってもオススメの本や文献を話し合うぐらいだ。

『うん、私はきっと君のことが好きだ。』

今日撮った写真を見ながら、少女はベッドの上で呟いた。