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「あの、俺切島って言います！雄英出身ってホントっすか！」
『本当だよ』
上鳴「エンデヴァーのガチオタなのに、エンデヴァーと繋がりあったんですか？」
『うーん、まあ。お兄ちゃんが警察関係者だから』
緑谷「そうなんですか！？」
『うん』
圧縮訓練が終わったあと、私は1年A組の子達から質問攻めを受けていた。
久しぶりにこんな雰囲気に囲まれていて、すっかり様相は変わってしまったけれど何十年も前の、私がまだ学生だった頃を思い出していた。
『懐かしいな〜！私が学生の頃はこんなに校舎が充実してなかったんだけどさ、体育館で訓練したり友達とお喋りしたり、帰りは肉まんとかアイス食べながら帰ったりしてた！』
「そっか、全寮制になったのは結構最近っスもんね！」
『そーそー、それで体育祭は玉入れとかやったし、障害物競走は今より距離短かったんだ』
「あ！じゃあ文化祭は！？文化祭どんなんだったんですか！」
『文化祭？あー、私が1年生のときは普通に模擬店でご飯食べたりミスコン出たり、私のクラスはお化け屋敷だったよ！
でもその後のインターンで怪我したから、2,3年生のときはステージ見るぐらいだったかな。車椅子だったし』
本当に懐かしい。私の青春時代を振り返ると、やっぱりそこにはいつも炎司くんがいた。
学生時代の話をすると、炎司くんは顔を曇らせる。
まだあの時のことを自分で許せていないのだろう、優しい人だから。
「ってことは、Aさん1年生でミスコン出てたんですね？」
『うん！優勝しちゃった！』
「納得や！！！」
こうして大人数に囲まれるのは久しぶりだな、初めてメディア露出してバラエティ番組に出た時以来だろうか。
けれど、純粋な気持ちで囲まれるのはきっと学生のとき以来
こんなに純粋な子たちの中に、禍々しい悪と通じていた学生がいたことは未だに信じ難い。
彼らの雰囲気といえば、触れてしまえばスグに壊れてしまいそうなのに、絶対に壊してなるものかという強い意志を感じる。固い結束だった。
ニュースで彼らのことを良く見ていたつもりだったけど、実際にその中へ飛び込んでみるとまた違った感覚を味わえるものだ。
『そろそろ日も暮れてきたし、私はこの辺でお暇しますね！
イレイザーもみんなも、相手してくれてどうもありがとうね』
相澤「いえ、それはこちらの台詞です。
また相手をしてやって下さい、帰り道はお気を付けて。」
『多分エンデヴァーが送ってくれるんで大丈夫だと思います、お邪魔しました！』
また、私は知らぬ間に変に地雷を踏み抜いていく。
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作者名：HAL | 作成日時：2023年12月29日 7時
