アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ26)

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ﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

エンデヴァー事務所に挨拶に行ってから数日後、家で筋トレをしつつまったりしているとインターフォンが鳴った。

来客は、エンデヴァー。

『家に来てじゃなくて、連絡してって言ったよね？』

炎司「上がるぞ」

『ちょ、おい！！』

全く私の話を聞かないで家の中へと入ってくる彼、体を押して拒否しようとしても義足を付けてないし圧倒的なパワーの差でビクともしなかった。

『うわぁっ！？』

片足で人を押し返そうとしながらパワー負けするとコケる、頭の隅っこの方に入れておかないと。

炎司「話をしにきた」

『何の』

炎司「俺のことだ」

真っ直ぐな視線で、私のことを貫くように見つめた。

流石にそういう風に言われては断ることもできないので、仕方がなく軽く飲み物とお茶菓子を出した。

もしかしたらヴィランはこんなときにも何処かで悪事を働いているかもしれない、そんな思考が過ってしまったが今だけは考えなかったことにした。

『……はい』

炎司「今、家族は？」

『お兄ちゃんは警察、会ってるでしょ？
お母さんとお父さんは、多分士傑の方の避難所かな』

炎司「自分の家庭とかは、？」

『いないよー？家よく開けるし、さらに脚の無い嫁は嫌でしょ〜
って、仮に旦那に子どもがいたとしたら何としてもウチには上げてないからね。』

炎司「……そうか」

シンとしてしまった。

炎司「俺は、」

『うん』

炎司「俺は、燈矢と戦えるのだろうか」

『うーん、本音は？』

炎司「戦えない、と思っていた。
冷や夏雄、冬美や焦凍までがみんなで闘うと言っているのに、俺だけがまだアイツを見てやれない。」

『そっか、それは大変』

炎司「………」

『正直、仕事減っちゃったから大変っちゃ大変なんだけどね。不謹慎な話、今この状況にちょこっとだけ感謝してるんだ。』

炎司くんは、変わらずポカンとした顔をする。

『だって貴方にまた会えたから。

ね、私はエンデヴァーの強いところも弱いところも、カッコイイとこもかっこ悪いとこも知ってるから。
ズルいかもしれないけど、ここでは轟炎司でいていーよ。』

炎司「ありがとう」

私はただ、エンデヴァーが今欲しい言葉を予想して、その言葉を言ってあげるだけ。そこに私情は入れないようにした。

『ちょっとお手洗い行ってくるね、待ってて』

炎司「あ、後で俺も借りていいか？」

『いいけど、エンデヴァーには狭いかも』

軽く笑いながらそういうと、邪魔をしている立場なのだから贅沢なことは言わない、周りのものを壊さないよう気を付ける、だなんて言った。