アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ3)

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『ごめんね、待った？』

「いや、丁度着いたところだ」

週に一度ある休日を使って勉強を教えて貰うために、駅前の栄えている場所までやって来た。

『ここのカフェ！あちゃ、並んでる……』

轟「時間はあるんだし、並べば良いだろ？」

『いい？ありがと！
ここね、お昼時は人気でこうやって列ができることもあるんだけど、普段は静かでのんびりしてて好きなんだ！』

轟「そうか」

『課題たくさんあったよね、終わった？』

轟「あぁ」

『流石だねぇ、私もう少しなんだけど分からない所あってさ。
………まぁ、それを今日炎司くんに教えてもらうんだけどね！』

そういうと彼女はまたキラキラと輝くような笑顔を見せた。

そんなコロコロと表情の変わる彼女を見ているのはとても幸せな時間だったことは、炎司も自覚していた。

ただ、こんな素敵な人の隣にいるのがスラッと長身の優男ではなくこんな無愛想で威圧感のある自分で良いのかと、いつからか考えるようになっていった。

『うーん、ここは？』

轟「ここは、コレだ。」

『あー……なるほど。ちょっと待って解けそう』

轟「あぁ」

ノートと教科書を睨みながら問題を解こうとシャープペンシルを走らせる彼女を見て、炎司はやさしい顔をした。

コーヒーを口に含み鼻から抜ける香りを堪能しながら喉を鳴らす。

『ね、できた！どうですか！！！』

轟「……正解だな」

『やった！！』

轟「まだあるのか？」

『んーん、課題はこれで終わり！
付き合わせるのも悪いし、勉強は終わりにしよ！』

それから使った頭を癒すために甘いスイーツを食べ、店から出た。

『炎司くんにはあのお店ちょっと小さかったかね？』

轟「そうかもしれないな」

入口の扉から店内へ入っていくときも窮屈そうにしていたし、なんとなくそんな感じはしていた。

椅子に腰掛けた彼を見た時に、そのサイズ感の合わなさに吹き出しそうになってしまったが、なんとか堪えることができた。

『この後、どっか行きたいとこある？』

轟「特には無いな。この辺りは来ることが少ないから勝手も分からん」

『そっか、じゃあオススメの場所にでも連れて行ってあげよう！時間ある？』

轟「あぁ、時間は気にしなくて大丈夫だ、どうせ送るんだし。」

『えっ、送ってくれるの？』

轟「当たり前だろう？」

『当たり前……かぁ、なんか紳士だね！』

何も疑うことがないようにいう姿にドキリとした反面、それが当たり前なら相手が私でなくてもそういうのだろうとどこに向かうでもないモヤモヤが生まれた。