アナタは太陽【ヒロアカ】 (ページ20)

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朧気な意識の中で、覚えているのはほんのいくつかのことだった

凄く申し訳なさそうな顔で涙を流す彼の顔。

私の容態を絶え間なく確認して頭の上で飛び交う言葉。

大きくてゴツゴツした両手で私の手を握って、謝る彼の姿。

謝んなくていいのに、ありがとうって言ってよ。

そう言ったつもりだったけどそんなことは言えてなくて、ずっと泣いている彼の謝罪の言葉にかき消されていた。

『炎司くんだいすき』

「俺もだ。」

けど、こんなやりとりがあったことだけはハッキリと覚えていた。

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XX年後

ホークス「へぇ、そんなことがあったンすね。
エンデヴァーさんも意外と普通にエンジョイしてる系だったんですね。」

エンデヴァー「昔のことだ。」

ホークス「で、今日は決戦前にその彼女のお墓参り的な？」

エンデヴァー「何言ってるんだホークス。
アイツはまた死んではいないしお前も知ってる人間のはずだ」

最終決戦前、最後の団欒

団欒というには空気は重苦しくて、例えるなら通夜のようだ

ホークス「え、マジで？誰ですか？」

エンデヴァー「コイツだ」

慣れないスマホを操作して、大手の動画サイトからひとつのチャンネルを見せた。

なるほど今はインフルエンサーなのか、と画面を覗き込むホークス。

ホークス「えっ、この人が……？え、待ってくださいこの人年齢出してましたっけ？え、エンデヴァーさんと同い年なんですか？？？」

エンデヴァーがホークスに見せたのは、とある1人のアイドルだった。

ホークスが驚くのも無理はない、彼女は結構最近音楽活動を始めてかなり若々しいその見た目から流石にエンデヴァーと同い年だとは思えないのだ。

エンデヴァー「個性が水系だからな、昔に肌のハリツヤはどうとでもなると言っていたからそういうことなんだろう。」

ホークス「いやいやいや、それにしてもですよ。」

エンデヴァー「義足を広めたい、と自らが広告塔になる選択をしたときは驚いた。」

ホークス「……ていうかその人ってエンデヴァーさんガチオタで有名じゃないですか。どっと火がついたのもそれが原因ですし」

エンデヴァー「確かにそんなこともあったらしいな、俺は知らん。」

少しむくれて文句を言うホークスだったが、エンデヴァーの態度が変わることはなかった。

ホークス「今でも会うんですか？ていうかそれご家族的にはアリなの？」

エンデヴァー「いずれ会うが、もう何十年も会っていないな。」

懐かしい過去を話すように、楽しそうに、今までに見たことない顔をして呟いた。