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「悪い、待たせたか？」
『んーん、今着いたとこ！』
インターンが一旦終わり、今日はクリスマス。
一人前のプロヒーローになるための訓練で毎日毎日忙しいけど、隣を見たら炎司くんや親友、それにクラスメイトが居てくれるから私はいつでも頑張れる。
『アイススケートしてみたい！』
「じゃあ行くか、場所は調べたか？」
『うん、結構近くにいくつかスケートリンクあるらしいよ！』
初めてのスケートは、思っていたより楽しめた。
炎司くんは相変わらず何をやらしてもそつなくこなすから、新しいスケートを提案してみたけどこれも失敗。
何か炎司くんが上手くいかなくてぐぬぬ…ってなってる所を見たいんだけど、中々上手くは行かない。
『あ、そーだ渡し忘れてたや。クリスマスプレゼントです！』
「む？」
遊び疲れて近くにあったファストフード店に入ったとき、ちょうど良いタイミングで思い出して炎司くんに紙袋を渡した。
「開けていいのか？」
『もちろん！どうぞどうぞ』
どんな反応をしてくれるのか期待、楽しみ。
『ふ、はは、思ってたよりサイズ感合わないね』
「マグカップか、良いな。大切にする。」
『コーヒーよく飲んでるから、好きなのかなって』
「確かにコーヒーはよく飲むな。
家でもこれを使うことにする、ありがとう」
『炎司くんからお礼言われんの新鮮かも』
「そういえば俺も用意した。
きっと似合うと思ったんだが贈り物を選ぶのは初めてだったからな、付けてみてくれ」
『付けてって、え、え！』
彼から渡されたのは、小さな箱。
その箱に書いてあるお店の名前からアクセサリーの類だってことが分かって、ドキドキが最高潮に達する。
『ね、ネックレスだ、かわいい……！！』
雫があしらわれている、水をモチーフにした銀色のネックレスだった。自分用にアクセサリーを買うことはあまりなかったから、思わぬプレゼントに気持ちがどんどん昂る。
『炎司くん、つけてよ』
轟「俺がか？」
『うん、せっかくだし』
後ろを向いて髪の毛を上げ、首元を開けた。
最近はすっかり寒くなっているから、それだけでもう凍えてきそう。
『う、……ねえちょっと！』
轟「擽ったいのか？」
『いーから、早くつけてってば！』
轟「あぁ、分かった。今付ける」
ふと、首元を撫でられ変な声が出てしまった。
彼の腕が前から回されて後ろで唸る声が聞こえた後にカチ、と金具が付く音がした。そして胸元には控えめに主張するアクセサリーが光った。
『かわいーね』
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作者名：HAL | 作成日時：2023年12月29日 7時
