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『そろそろ顔離してほしいなぁ』
「わ、るかった……スマンな。」
『うん、で、私からの告白に対する返事はくれないんですか』
「あぁ、そうだな。俺も水野のことが好きだ。俺と付き合ってくれ。」
『……うん、こちらこそ。』
シン、としてしまった。
『炎司くん、そろそろクラスの方戻らなくて大丈夫？』
「……確かに、そろそろ時間も時間だしな。」
『手、繋ぎたいかも』
「分かった、手を寄越せ」
『あでも待って、手汗が……って、ちょ！』
「そんな些細なこと気にする訳ないだろ、戻るぞ」
『う、うん……』
実は、嫌がるかと思ってた。だからこんなにすんなり手を繋いでくれるのが恥ずかしくて、前をズンズン歩く彼を見上げながら早歩きでついて行った。
ほんのり耳が赤い気がしたのは、気の所為じゃないといいな。
炎司くんは体育祭諸々での活躍ですっかり有名人なのだ、体も大きいし、異性と手を繋いで歩いている今はそれはそれはもう注目されてしまっている。
あ、半分は私のせいか………
『炎司くん、嫌だったら手離していーからね。』
「なんで嫌になるんだ、俺はそんなに小さい男ではない」
『うわ、カッコよすぎ、大好き炎司くん』
「ただ、まだ慣れないからそういうことはあまり人前で言うな」
恥ずかしそうな表情をせずとも、彼はどうやら耳と炎に出るタイプらしい。とりあえずその提案は了承した。
「あれ、轟なに、水野さんと付き合った？文化祭マジック？」
轟「何だそれは」
「知らねえの？文化祭で告ると成功率上がるってアレ」
轟「そうなのか？」
クラスメイトが私たちの繋がっている手を見て茶化し、問いかけに炎司くんがこちらを見る。
『や、なんか……そんなジンクスがあるのは知ってるけど、別にそれ狙ってたわけじゃないよ』
轟「らしい」
「いや、それは分かったけど、2人学校中で噂ンなってたよ」
『え』
「なるだろお前ら有名人だし」
轟「まあ、そうなるな」
『私も有名人なの？』
「1年で仮免受かって、ミスコンも出て委員長やってりゃ嫌でも有名になるわ！
お互いに肩書きで張り合えるのお前らぐらいだぞ」
『まあ、そっか』
ん？ミスコン？？
『あ！！やばい！ミスコンの表彰式行かなきゃ！』
彼女は手を離して貰ってダッシュで会場に向かった。
その後、残された男子二人。
「良かったな、轟」
「あぁ。」
「水野さん、ミスコンどうだと思う？」
「優勝だろう」
「俺もそう思う」
「やらんぞ」
「いや、あわよくば付き合いたいけど、轟から取ろうとかは考えてねえよ！？！？」
「そうか」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年12月29日 7時
