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『うわ〜、結構怖かったねえ！』
「お疲れ様でした〜水野めちゃくちゃ叫んでたな！！」
『炎司くんいてくれて良かったよ〜、盾にできて助かった！』
自分のクラスの出し物はお化け屋敷だったものの、私はあまり内装とかの準備には関われなかったから新鮮な気持ちで入ることが出来た。
特殊メイクや演出は流石という出来上がりで、これなら人気が出そう。とっても怖かったし。
盾に出来て良かった、とはいうものの炎司くんは中の準備もきちんと手伝っているので特に怖かったとかは無さそうだ。
暗い教室の中で、転ばないようにやさしく手を引いてくれた。
『つぎはー、食べものいこう！』
轟「分かった」
『食べたいものある？お腹減ってる？』
轟「水野に合わせる、どこか行きたいところはあるのか？」
『んー、甘いもん食べたいかな』
校舎の外には、たくさんの種類の食べ物が売っている。
焼きそばやたこ焼き、お好み焼きのようにガッツリ食べれるものから、クレープやわたがしのように軽くお腹に入れられるスイーツまで幅広くある。
サポート科は毎年わたがし機を製作して出店しているのだという話から、私達はそのわたがしのある場所まで向かった。
『やった袋に入れてくれるタイプのわたがし！』
轟「何か違うのか？」
『んー、あ！夏に行ったお祭りで食べたわたがし覚えてる？』
袋に入ったわたがしを口に含んで、とけては消えてくのを味わっていた。
『あのときさ、わたがしそのままで割り箸に巻いてあったじゃない？
私あれだと変に落ちちゃって、食べるの苦手なんだよね』
轟「そうだったか？」
『もー、覚えててよね！！！』
轟「すまない、あの時は浴衣着てるのが珍しくて…それ以外のことをあまり覚えてない。」
『……は、』
なんでそんな恥ずかしいことを真面目な顔して簡単に言えるのだろうと、忘れてしまう。時間が止まった。
『え、え……そんなに、似合ってたかなぁ…』
今私たちがいるのは、先日も炎司くんが女の子に告白されていた場所、校舎裏。もしかしてこれは、脈アリってやつ？
轟「あぁ、今日のミスコンも綺麗だったのを伝えたくてな」
今着てるのがクラスTシャツだってことはとても悔やまれる、ドレスそのまま着ていくか聞かれた時に頷けば良かった。
『来てくれてたもんね、ミスコン、見つけたとき嬉しかった』
轟「あぁ、お前が来いってしつこいからな」
『……そっか』
『あのさ、炎司くん。言いたいことあるんですけど……』
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作者名：HAL | 作成日時：2023年12月29日 7時
