188 ページ8
「この度は、お招き頂きありがとうございます。
三輪Aの父で……」
今日は結婚式前の、両家の顔合わせだ。
敦の話は前から両親にしていたし、敦の家にも何度かお邪魔したことがあるからこれは全く問題がない。
本当、久しぶりに両親に会ったような気がする。
逞しくなったな！なんてケラケラ笑う父が面白くて、今まであったことたちは全て飲み込んで両親には笑顔を届けた。
敦はそれを全部理解した上で、やさしく微笑んだ。
「結婚式が近くなったら八戒くん達連れてまた戻ってくるよ、次はイタリアで撮影だからな。」
『ホント、ずっと飛び回ってるね』
「父さんたちの撮るものを待ってる人がいるからな！」
千堂「Aは俺に任せて、撮影頑張って下さい！」
「そうだな、じゃあ遠慮なく頼むよ！！」
父も母も、すっかり敦のことを気に入ったようだ。
顔合わせも終わったしあとは式の流れと披露宴と……
『あっ！！！？！？！』
千堂「え、なに。どーした」
父さんたちと別れたあと、家に帰るために敦の運転する車の助手席に座った時肝心なことを思い出した。
『ウエディングドレス、』
千堂「が、どうかした？」
『なんも考えてなかった…って』
千堂「大丈夫大丈夫、ちょっと寄り道していい？」
『え、うん…いいけど……』
何が大丈夫なのか、またしても分からずに家の方向とは少し違う方向へと車を走らせた。
近くのパーキングに車を停めてから少し歩くよ、と助手席のドアを開けに来る。
なんだか王子様みたいで素敵だね
『ありがと』
ほんの数分歩いて、太陽の光が射し込む作りの木組みの部屋へと到着した。
千堂「すんません、急に押しかけて！」
「いーよ、結婚すんだって？オメデト」
『三ツ谷くんっ！？久しぶり！』
なんだなんだとやってきたのは、新進気鋭のデザイナーである三ツ谷くんのアトリエ。
千堂「俺ね、Aに来て欲しいデザインのドレスがあんの。」
『そ、そうなの？』
三ツ谷「ベッタリだな〜相変わらずお前らも」
『も？』
三ツ谷「タケミっち達もね、そろそろ結婚していいんじゃねえかと思うけど」
『あ、なるほど……』
ちょっとまっててね、と三ツ谷くんは少し散らばった机の上からひとつのスケッチブックを取り出した。
三ツ谷「これ、デザインこんな感じなんだけどどう？
デザインの元になるモンがもう10年ぐらい前の写真しかないからあんまり再現度は高くねえけど、こっから2人で口挟んでもらって……って思ってた。」
見たことあるな、って思ったの。
それもそのはずだよね。
だってこれ、私が高一の時に着た純白のワンピースとそっくりだもん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
晴(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜！！あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです！！！！ありがとうございます！！！！！！！ (11月15日 22時) (
レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - （続きです）文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました！これからも頑張ってください！ (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして！今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭（長くて入らないので次行きます） (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年10月17日 4時
