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『ねえ、開けていい?』

松野「ダメ、俺が開ける。」

『何入ってるの?』


小包を揺すって、中に入っているものを予想していた。


『音?するね』

半間「それ揺らして良いヤツなん?」

松野「分かんないけど」

直人「……開封して、中を見ましょう。」

羽宮「ハサミ、使えよ」


松野「あ、うん。ありがとうございます。」

そしてハサミで封を切り、その切り口を下にして中身を落とすようにして出した。



『……何、コレ』

半間「……」

松野「うそ、だよな」

羽宮「嘘じゃ……ねえだろ」



ゴト、ゴトゴト。音を立てて"ソレ"は机の上に広がった。

信じられないような光景が今、私たちの目の前には広がっている。




『え、ちょっと待って……これって、』

羽宮「全部で、10ってことは…」

半間「イカれてんな、流石に。」


松野「"これ"の持ち主は……もう…」


『……うそ、いやだそんなのっ』


見覚えのあるそのネイルは、彼が行方不明になる前日に私がふざけて塗ったお揃いの色だ。


直人「梵天の……いや、灰谷の仕業でしょうか。」

松野「じゃなかったら、誰だっつンだよ。」

『う"ッ……!』


羽宮「Aちゃんっ!?」

半間「なんでもいい袋持ってこい!」


『ん"ぅ、……ッ…ごめ、なさっ』


直人「証拠品として一度照合します、もしかしたら他にもなにか手がかりが…!」

松野「ンなこと言ってる場合じゃねえだろうが!!!」

直人「僕はふざけてなんていません!」

松野「照合なんてしなくたって分かんだろ!!
これは………あっくんの指だッ!」




半間「Aちゃん、謝んないでいいから。
何も食ってねえのに吐くのは辛えだろうけど、全部吐き出しちゃいな。」

『う、ん"っ…』




半間「Aちゃんが落ち着いたら、俺はAちゃんを連れて別の場所に行く。」


意識の外側で聞いた修二くんのその言葉。

どうしてそんなに貴方が怒っているのかがよく理解できなくって。でも、それでも私の愛する人のために怒ってくれているという事実が嬉しかった。


自分の好きな人が、大切な人が周りの人間に好かれているとこんなに心地のよいものなのかということを知った。



松野「どうして…って聞きてえけど。」

直人「それはさせられない、彼女は警察で保護します。」


半間「ぁ?させられるさせられねえの話じゃねえ、すンだよ。
何でここにAちゃんがいるって向こう側にバレてんのか考えろ。お前らだぞ。」

直人「だとしても…」

半間「それに、梵天の奴らは警察内部にも繋がりを持ってんだろ。尚更渡さねえよ。」


今回ばかりは、半間の提案の方が安全だった。

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(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時

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