219 ページ39
松野「橘直人に連絡した。
俺らよりは力になってくれると思うし、色々知ってるはずだ。
とにかく今は身体休めとこうぜ?」
『そんなこと、ムリに決まってるじゃん……
だって、今このとき、この瞬間にも敦は傷つけられてるかもしれないんだよ!?』
松野「だからって、俺らが今出来ることは無いだろ」
『それでもっ、できない……私だけ寝てらんない!!!』
また眠ってしまったら次に目覚めるのはさっきのような悲惨な空間なんじゃないかとか、今眠ったら、次起きた時には大好きな敦には二度と会えない世界になってしまっているのかとかを考えてしまう。
松野「じゃあ、あっくんならなんて言うと思う?」
『……寝ろって…千冬と同じように言うと思う。』
松野「分かってんじゃん」
『当たり前でしょ?何年の付き合いだと思って……』
松野「おぉ、何年?」
『え、っと……15年、ぐらいかな。』
松野「すげえ。
付き合ってからもう10年経ってるって聞いたし、さすがだな。もっと聞きてえ!」
それは昔っから変わらない笑顔で、真っ直ぐな言葉だった。
松野「Aがさ、大好きなあっくんが今ピンチかもしれなくて自分も妊娠中で考え方がまとまんなかったりして。
俺は何があったのか分からないけど、もしかしたらここ来るまでに灰谷兄弟にひでえことをされてるかもしんなくてさ、辛いことも苦しいことも痛いことも悲しいこともあると思う。」
『うん』
松野「でも、Aが今あっくんの為に出来ることって、元気で……無事でいることだと思うの、俺。」
『…うん』
松野「相棒がマイキーくんと一緒に死んじまって、あっくんがいなくなっちまったところに、ヒナちゃんまでいなくなった。
俺だったらもうここで立ち直れなくなってると思う。
けどさ、Aはまだ諦めてないんだろ?
あっくん、助けたいって。」
『諦めるわけない、』
松野「ん、だからだって。
今日、疲れたろ。ヒナちゃんの葬式出てほぼ関わり無かった奴らに拉致られて。
今そんな言葉選べないから嫌なこと言ってたらごめんな、先謝っとくわ。」
『じゃあ、ココアのみたい。あったかいやつ!』
松野「顎で使う気かぁ?」
『作ってくれるでしょ?』
松野「いやまあ作るけどさ」
千冬は千冬なりに私のことをどうにか落ち着かせる、というか安心させようとしてくれていた。
松野「じゃあ、これ飲みながらあっくんとの馴れ初めを聞くとすっか!」
『朝までかかっちゃうかもよ〜』
そしてそのとき自分のことでいっぱいいっぱいだった私は、千には大きなクマがあって、その目尻が赤くなっていたことに気が付かなった。
468人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
晴(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時