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「よォ」


どこかで聞いたことのあるような低い声で背筋が凍った。

『な、だっ………んッ?!』

顔を見ようとしたらそれを上回る力で後ろから口元を抑えられる。振り返るなという意味なのか、背中には丸い筒のような固いものが押し付けられていた。

「大きな声を出さないこと、無駄に抵抗しないこと、俺に着いてくること。
それが約束出来たら、危害は加えない」

『……』

「そしたら、旦那に合わせてやる」

『っ、』コクリ


「良い子だ。」

だって、そんなこと言われたらどんな危険が待ってても着いて行くに決まってる。

「来い」

『……はい』

私よりも大分背の高いその男の人、何となく知っているような。

確かあれは……あ、思い出した。あの時の鮮やかなパープルのスリーピースのスーツを着ていた人だ。
今はパーカーのフードを目深に被っているから、今は顔すら見えないけれど、きっと合っているはずだ。


エントランスを出てすぐ、人気のないところで目隠しをされて、腕を引かれ車に乗った。

すぐ横には人の気配、きっと家に来たその人。


『本当に、千堂敦に会わせてくれるんですか…』

「余計な事は聞かないこと、これも追加で。」


話をするのが面倒だとでもいうような気だるげな声が聞こえてきた。目隠しのせいで方向の感覚もなくて、車を降りてからもそれを外してもらえることは無かった。

車をおりてからほんの少しだけ歩いて、それからエレベーターに乗った。

けどそれもチン、という独特の音が聞こえて何となく分かっただけで、全部想像で補完しているわけだ。


「おー、思ってたより遅かったな」

「ワリ。想定より帰ってくんの遅くてさ」


何やら頭上で言葉が交わされていたが、そんなこと今の私には関係なくて、この場はとっても不快だった。

『あ、あの…ほんとに、敦に会わせてくれるんですよね……?』

情けないぐらいに震えている自分の声すらも気にならないほど、彼のことが心配でならない。


今、私の耳に入ってくる浅い呼吸が、時々咳き込んでるこの声は、私の知ってる……


「なぁ、余計な事は聞かないこと、って言われなかった?」


『だ、って、会わせてくれるって…!』

「心配すんなよ、すぐ会わせてやっからさ!!」

『きゃ、なッ!やめて!!!』


お腹に走った鈍い痛み、胸が苦しくて、何も見えないことが怖くて。




「ようやく感動のご対面だぜ、Aちゃん」

その言葉を合図に突然目隠しを取られて、今私を取り囲むこのおぞましさの正体が明らかになった。




『な、な……!』

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(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時

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