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『ヒナ、わたしもうダメかもしんない』
日向「どうしたのいきなり、ブルーな気分?」
日向だって辛いのは分かってるんだ。
でも、それでも、今この気持ちを口に出さずにはいられなくて目の前にいる日向に受け止めてもらう。
『ううん、そういうんじゃ………いや、そうかも。』
日向「何でも相談してよ、親友でしょ?」
『うん』
日向「きっと大丈夫だよ。」
『……』
日向「千堂くんは、Aのことを1人にして居なくなるような人じゃない。
今こうやって戻って来れないのにも、理由があるはず。」
『うん』
日向「ねえA、ちゃんと泣いてる?」
『さっき、泣いたよ』
日向「それまでずっと我慢してたでしょ?」
三ツ谷くんと柴くんはひと足先に帰宅した。
本当に三ツ谷くんには感謝をしてもしきれないようだ、ご飯を作って貰って洗濯物も纏めてくれたみたいで、気が付いたらシンクも空っぽになっていた。
それに対して柴くんはずっと隣に座って私に涙を拭くためのティッシュを手渡してくれていただけだから、別にいいや。
『ヒナぁ、』
日向「おいで、悲しいときはたくさん泣いていいんだよ」
『うん、うんっ……!』
そっから、30分ぐらい経ったかもしれない。
その間、ずうっと日向は文句のひとつも言わずに私の背中を撫でて、ただひたすら大丈夫だよと言ってくれた。
『甘えてばっかでごめんね』
日向「Aに甘えてもらえるならいいよ」
『私ね、タケミチのことずっと好きだったんだ。
多分、日向と武道が出会うよりもずっと、ずーーーっと前から。』
日向「……」
『日向と武道が出会って、私も仲良くなって、溝中に入って日向が武道と付き合って。
私ね、ずっと武道に片想いしてたの。』
そういえば、私たちの歯車が変に回り出したのは、その時からだった。
『だから、いっつもボロボロな武道を助けたくて、ちょうど東卍の人と知り合って色んなことに巻き込まれて……私もみんなを巻き込んだ。』
日向「うん」
『エマがいなくなって、稀咲くんがいなくなって、私たちだけ先に進んでくみたいな感じがしてた。
高校生になって、私……武道に告白したの。』
『あのね、実は、私一度だけ武道にキス…しちゃったんだ。』
『それから吹っ切れたけど、ダメだった。
あの日、上から武道と佐野くんが落ちてきたとき、色んなこと思い出したの。昔のこととか、色々。
昔の、気持ちが……溢れてきた。』
『ごめんね、日向。』
懺悔を行うみたいに、ヒナの腕の中で気持ちが溢れていった。
日向「ヒナ、知ってたよ。」
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晴(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時